残り6戦全部勝つ! 阪神CS進出へ矢野監督就任1年目の“神撃”再現へ 秘蔵っ子の青柳が先陣

[ 2022年9月20日 05:15 ]

<阪神練習>逸れてきた遠投のボールを避ける矢野監督。右は青柳(撮影・北條 貴史)
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 阪神は台風接近の影響でヤクルト戦が延期された19日、甲子園球場で調整に努め、クライマックスシリーズ(CS)進出がかかる残り6試合に備えた。今季限りで退任する矢野燿大監督(53)は就任1年目の19年に6連勝でレギュラーシーズンを終えて逆転CS進出した経験を持ち、再現に期待。20日のDeNA戦で先陣を切るエースの青柳晃洋投手(28)も指揮官との一日でも長い共闘へ力投を誓った。

 「19年の奇跡」の再現だ。18日のヤクルト戦に敗れ、広島と同率3位。残り6試合でCS出場権を確保するためには、矢野監督就任1年目に見せたようなとびきりのラストスパートが求められる。

 「残りの試合、全部勝つつもりでいっている。(勝率)5割を目標というよりは、目の前の試合を勝っていく結果、6連勝になれば最高だし。それで結果的に5割を超えれば言うことはない」

 65勝69敗3分けは広島と全く同じ。残り6戦で勝率5割に戻すには、5勝1敗が求められる。矢野監督就任後の過去3年間は5割以下で終了したことはなく、最終年を借金生活で終えたくはない。さらに、広島には今季カード負け越しが決まっており、同率3位で終わった場合はCS進出は広島。5位・巨人も0ゲーム差に迫り、残り試合は1つも落とせないような状況だ。

 「大混戦になっている。最後の最後まで分からないと思う。やれることは一つしかない。もう、目の前をどう取るか」

 思い出されるのが19年だ。6試合を残した9月21日時点で借金5の5位で、その日の広島戦に敗れればCSが消滅する崖っぷち。破竹の6連勝を飾り、貯金1の3位でCSに進出した。より追い込まれた状況からミラクルを起こした3年前。今年できないはずはない。

 「6番勝負」の初戦を託されたのはエースの青柳だ。最多勝、防御率などのタイトル争い中でも「個人よりもチーム」と強調した。

 「変な言い方ですけど“いま登板やめます”と言ったら、防御率のタイトルだけは確定すると思うけど、任せてもらっている以上はチームに貢献したい。打たれても勝ちにつながる投球がしたいし、その結果としてタイトルが獲れたら」

 矢野監督が2軍監督時代に下積みし、就任後に開花。「監督に使ってもらって、去年、今年とある程度の成績を出せている。監督が一試合でも長くタイガースのユニホームで試合できるように」。残りの登板予定は順当なら2度、未定のヤクルト戦が組み込まれる日によっては3度もあり得る。頼れるエースに成長した“秘蔵っ子”が、恩師をCSへ連れていく覚悟だ。(山添 晴治)

 ≪気象による中止の次戦は11連勝中≫阪神の試合中止、延期は7月18日の広島戦(マツダ=降雨)以来、今季9度目。降雨や台風など気象による中止の次戦は、20年10月18日のヤクルト戦から11連勝中だ。

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