オリ、ついに0差!殊勲4打点の吉田正、原動力は昨秋の悔しさ「優勝争い経験できていない」

[ 2022年9月20日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス6-5ソフトバンク ( 2022年9月19日    京セラD )

<オ・ソ>初回に先制2ランを放ち、守備につく際に帽子をとる吉田正(撮影・坂田 高浩)
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 オリックスが19日、首位・ソフトバンクとの今季最終戦に競り勝ち、最後の直接対決3連戦に全勝して再び0ゲーム差に肉薄した。吉田正尚外野手(29)が9回2死からの同点打など獅子奮迅の4打点で延長戦へ持ち込み、攻守でミスのあった宗佑磨内野手(26)が10回にサヨナラ打を放って男泣き。両軍計17投手を投入した4時間47分の激戦を制し、残り6試合での逆転リーグ連覇へ希望を膨らませた。

 1点を追う9回。無死一、二塁が2死になっても誰も諦めない。託されたのが吉田正だったからだ。1球で決めた。モイネロの初球、真ん中付近に来た146キロスライダーをフルスイングし、右前へ起死回生の同点打をはじき返した。

 「僕もシビれました。重苦しい雰囲気の中で守護神から、みんなが塁に出てつないでくれたから。初球スライダーは何となくイメージしていました。駆け引きしていかないと、いい投手なのでね。プレッシャーというか、常に平常心で入れるようにと思っています」

 普段クールな主砲が一塁塁上で右拳を突き上げ、中嶋監督らベンチも総立ちだ。初回の先制19号2ラン、3回の中前適時打と合わせて計4打点。4―0から逆転された難局を土壇場で救った。今季3打点以上を挙げれば7勝1分けの無敗。10回の宗のサヨナラ打を呼び込み、「最後やっぱり決めてくれる男やなと見ていました」と白い歯を見せた。

 不完全燃焼だった昨秋の悔しさが原動力だ。左太腿裏痛で離脱し、復帰直後には右尺骨骨折。度重なる不運に見舞われた。

 「去年はリーグ優勝の節目の瞬間には立ち会えたけど、優勝争いをしている勝負の“ここ1カ月”という大事な時にいられなかった。悔いが残るし、立ちたかった。僕のキャリアで、優勝争いという経験はできていない」

 責任感が強く、誰よりもチーム思い。中嶋監督から「将来があるから分かってくれ」と諭されても無念さが勝った。今季に懸ける思いは強く、「残り試合を勝ってソフトバンクさんにプレッシャーをかけられるように」と見据えた。

 1敗でもすれば連覇の夢が遠のく天王山の3日間を勝ちきり、貯金9は今季初めて。中嶋監督は「この3つを何とか取って挑戦権を…と思っていた。もう一回チャンスがあると思っている。始まりくらいな感じかな、やっと」と表現した。台風の影響で試合後の千葉移動を取りやめ、きょう20日のロッテ戦は当日移動。残り6試合も希望を持って戦える。ラストスパートの秋に今年は吉田正がいるから――。 (湯澤 涼)

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