日本ハム・大海7勝目 自称「小化けフォーク」を駆使して自己最多135球投げ抜いた

[ 2022年7月10日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム7-2ソフトバンク ( 2022年7月9日    ペイペイD )

<ソ・日>8回、柳田を三振に抑え雄叫びを上げる伊藤(撮影・岡田 丈靖)
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 日本ハムの伊藤大海投手(24)が自身2連勝での今季7勝目を挙げた。8回5安打2失点。初回こそ2点を許すも、以降は内野安打の3本のみと相手に的を絞らせず、プロ入り後最多の135球を投げた。18年から日本ハム戦9連勝中の東浜に投げ勝ち、チームの3連勝を呼び込んだ。

 余力を出し切るかのように、伊藤はグラブを叩いて雄叫びを上げた。8回2死、初回に先制打を浴びた柳田をスライダーで空振り三振斬り。昨年8月29日西武戦の134球を1球上回る自己最多の球数を投げ切ってベンチに戻ると、新庄監督から右手でOKポーズが送られた。

 「気持ちで何とか最後まで持っていったので、明日どっと疲れが出ると思います」

 新球フォークが生きた。初回に自らのバント処理ミスなどで招いた1死二、三塁のピンチで、柳田に先制の中前2点打を許す。しかし、以降許した安打は内野安打3本のみ。130キロ台のフォークで打たせて取り「意外と使えるかな。“小化け”フォーク」と、ソフトバンク・千賀の「お化けフォーク」をもじって命名した。

 飽くなき探究心が生んだ新球でもある。前回2日のオリックス戦で今季2度目の完封勝利を挙げるも「こっちから変化していかないといけないと感じた」と満足せず、新球習得へ着手。フォークを投げるチームメートの加藤やポンセから情報収集し、より握りを深くした分速1000回転前後のフォークをわずか1週間でものにした。

 憧れの“先輩”にも投げ勝った。苫小牧駒大2年時の18年に日米大学選手権で初めて大学日本代表入り。代表チームを指揮する亜大の生田勉監督(55)と出会い、教え子の東浜の人間性を説かれた。感化されて東浜の著書も読むなど「凄く尊敬している」と話していた伊藤。プロ入りの道しるべとなった存在に、胸を借りるつもりで投げ抜いた。

 「最近、自分になかった気持ちを前面に出すピッチングができた」と伊藤は振り返る。リーグ2位タイの7勝目も、まだまだ上を向き続ける。

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2022年7月10日のニュース