“淡路の星”として輝く4年後を夢見て…津名・佐藤希興の夏終わる

[ 2022年7月10日 09:43 ]

<西脇・津名>1回2死一、二塁、徳岡の左中間適時二塁打で一塁走者の生還を悔しそうに見つめる津名・佐藤希(撮影・井垣 忠夫)
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 第104回全国高校野球選手権の地方大会は各地で熱戦が繰り広げられている。兵庫大会では二塁送球最速1秒86を誇る強肩捕手の津名・佐藤希興(きおき=3年)が西脇との初戦(2回戦)に臨んだが、3―5で惜敗。高校野球生活に幕を閉じた。

 「4番捕手」として4打数1安打、許盗塁は3。決して目立った数字を残したわけではなかったが、その潜在能力はプロからも高く評価されていた。昨秋の播淡地区大会2回戦では、昨春選抜に出場した東播磨の4盗塁企図を全て刺し、評判に。今春兵庫大会1回戦では6球団が視察に訪れたほどだ。試合1週間前に体育の授業で右手人差し指を骨折していたことを考えれば、クロスプレーにも臆することなく対応した奮闘は称えられていい。

 近年、淡路島出身のプロ野球選手の活躍は目覚ましい。西武の守護神として今季22セーブ(9日現在)を挙げハーラートップを走る増田達至をはじめ、今季30試合連続安打をマークした阪神・近本光司、オリックス・村西良太に智弁学園(奈良)で16年選抜優勝投手となった阪神・村上頌樹も同島出身だ。

 彼らに共通するのは、全員が大学を経由した選手であること。佐藤希も4年後に輝く未来を思い描く。「ピッチャーを安心させられる、俺に任せろと言えるようなチームの要、主役としてリードできる捕手になりたい」。試合後、報道陣から涙がないことを質問されると「本当は悔しい。必死にこらえています」と気丈に話した表情が印象的だった。その我慢強さと意志があれば、必ず将来、淡路島を代表する選手に成長できるはずだ。(記者コラム・北野 将市)

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2022年7月10日のニュース