DeNA大和の「侮辱行為」退場理由 元NPB審判員記者が解説 過去にはイチロー氏も同ケースで退場

[ 2022年3月29日 20:46 ]

セ・リーグ   中日―DeNA ( 2022年3月29日    バンテリンドーム )

<中・D1>4回、見逃し三振に倒れた大和(右)が侮辱行為をしたとして退場となり、敷田球審(左)に確認する三浦監督(撮影・椎名 航)
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 DeNA・大和内野手が審判への侮辱行為で、今季退場第1号となった。

 2―0の4回1死で、フルカウントからカーブを見逃し三振。その際に判定を不服として、敷田球審に何らかの不適切行為をした模様。同球審は「大和選手に侮辱行為があったため、退場にします」と場内に説明した。
 
 2011年から16年までNPB審判員を務めた記者が、退場の原因となった行為を解説する。まず、退場宣告に適用された規則は下記の通りとなる。【公認野球規則 8.02(a) 審判員の裁定 打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチ、または控えのプレーヤーが、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない。】

 今回のケースで敷田球審は退場理由について「侮辱行為」があったからと説明している。このことから、1つの行為が退場につながったと考えられる。それは、バットで「ボールがここを通過した」とアピールした行為だ。大和選手は「見逃し三振」の判定後、バットで線を引くような動作をしていた。
  
 NPB審判員は「侮辱行為」で退場する際に判断基準を設けている。その中で「自動的」に退場となる行為の1つに「バットを用いて“ボールがここを通過した”とアピールする行為」がある。
 
 この行為は審判員の判断ではなく、その行為を行えば直ちに退場となる「オートマチック(自動的)に退場」と処置するべき行為となっている。事実、09年9月26日に当時、マリナーズに所属したイチロー氏がメジャー初退場となったケースも同様のケースだ。
 
 そして、私のNPB審判員現役時代の16年4月16日に由宇球場で行われた2軍戦の広島―ソフトバンクで、球審を務めた私が広島・プライディ選手を退場にしたケースも同様だった。

 退場のケースにも「審判員の判断」と「自動的に退場」となるケースがあり、今回は後者だった。(柳内 遼平)

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