記録的アーチ攻勢で大阪桐蔭4強 伊藤が1イニング2発! チーム1イニング3発!! 1試合6発!!!

[ 2022年3月29日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会   大阪桐蔭17ー0市和歌山 ( 2022年3月28日    甲子園 )

<市和歌山・大阪桐蔭>6回無死、大阪桐蔭・伊藤はソロ本塁打を放つ(投手は市和歌山・米田)(撮影・坂田 高浩)
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 大阪桐蔭は、「KKコンビ」を擁した84年PL学園に並ぶ大会タイの1試合6本塁打などで記録的大勝。「2年生四天王」の一角で実質的エース格の左腕・前田悠伍も6回無失点12奪三振と鮮烈な聖地デビューを飾った。

 西の横綱が、最強伝説をよみがえらせた。1試合6本塁打の大会タイ記録で大阪桐蔭が大勝。直前の準々決勝第3試合までの26試合(不戦勝1試合除く)の大会6本塁打を、わずか1試合で倍増させた。桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」を擁したPL学園が84年に刻みつけた記録に並んだ。日付もまったく同じ3月28日。ド派手に4強進出を決め、選抜史上初の個人1イニング2本塁打を放った「1番・三塁」伊藤櫂人は声を弾ませた。

 「(初戦で)打席の中で迷いがあったので、思い切って振っていこうと思っていました。(当たりは)今までで一番良かった」

 本塁打攻勢の口火を切ったのは5回先頭、2番・谷口勇人の中越えソロだった。選抜での大阪府勢通算100号のメモリアル弾で号砲を鳴らすと、2死二、三塁からは星子天真主将が右越え3ラン。この回一挙4点を奪ったが、まだ、ほんの序章に過ぎなかった。

 本章は6回だ。先頭の伊藤がバックスクリーン左へ運ぶと、さらに4点を加えた2死二塁で代打・工藤翔斗が右越え2ラン。なおも2死一塁、伊藤がこの回2度目の打席で左越え2ラン。チーム1イニング3本塁打の大会タイ記録も同時達成する離れ業で14―0までリードを広げた。そして締めは7回。1点追加後の無死一塁、09年KEIRINグランプリを制覇した海老根恵太の長男、5番・優大が左越え2ランを放ち、令和の新伝説は完結した。

 伏線があった。伊藤は初回、2回と連続四球。相手先発・淵本彬仁のデータが不足していただけに「ファーストストライクがどういう球筋で入ってくるか」をナインに共有し、攻略につなげた。そしてエースの米田天翼は研究通りに打ち砕いた。チームの合言葉『束になって、泥くさく』を体現し「ヒットの延長上でホームランを打つイメージで打てた」とうなずいた。

 西谷浩一監督は春夏通算59勝目。並んでいた中村順司監督を上回って単独2位に浮上したが、「PLをずっと目標にしてやってきました。並んだから、中村監督の数字を超えたから、勝ったという気持ちはありません。まだまだもっと勉強して力をつけたいと思います」。隙はない。記録的大勝を推進力に、頂点まで駆け上がる。(北野 将市)

《西谷監督は歴代単独2位の春夏通算59勝目》

 ◯…大会最多タイ記録のチーム1試合6本塁打。84年PL学園が砂川北戦で記録した6本塁打(鈴木、清原、黒木、桑田2、旗手)に並んだ。

 ◯…伊藤が6回、選抜史上初の個人1イニング2本塁打を記録。選抜最多タイ記録1試合2本塁打は19年決勝の東邦・石川以来26人目で2打席連続本塁打は13人目。

 ◯…6回に1イニング3本塁打。11年九州国際大付(前橋育英戦の5回)に並ぶ大会最多タイ記録。

 ○…1試合43塁打。84年のPL学園を抜き、選抜史上最多記録を更新した。

 ○…工藤が6回に代打本塁打。17年決勝で大阪桐蔭・西島が記録して以来5年ぶり6人目。

 ◯…谷口が市和歌山戦の5回に放った本塁打は大阪府勢の選抜通算100本塁打目。

 ◯…西谷浩一監督は春夏通算59勝目。58勝で並んでいた中村順司監督を抜き、歴代単独2位。トップは高嶋仁監督の68勝。

 ◯…選抜通算29勝目を挙げ、東海大相模(神奈川)を抜いて単独11位。春夏通算67勝は早実(東京)を抜いて単独10位に浮上した。

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