福島敦彦氏 1点への執着心が上回った近江 よく決めた、勝敗分けた7回のスクイズ

[ 2022年3月29日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会   近江6ー1金光大阪 ( 2022年3月28日    甲子園 )

<近江・金光大阪> 7回無死三塁、近江・中瀬はスクイズを決める (撮影・後藤 大輝)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】7回のスクイズの成否が勝敗を左右したが、1点への執着心という部分においても近江が勝っていた。

 1点リードの7回1死二、三塁の守りで打者は9番の沢田君。スクイズが想定される中、野球センスにあふれる山田君は三塁走者の動きを確認し外角低めに外して空振りさせた。直後の攻めでは相手のミスで1点を奪い、なおも無死三塁で3番の中瀬君にスクイズのサイン。経験の浅い左腕・福冨君の代わりばなの初球で、無警戒だったとはいえ、外角低めの難しい球を本当によく決めた。

 1点リードの5回無死一塁では4番の山田君が送りバント。得点には結び付かなかったが、1、2点目とも相手のミスでもらっており、得点圏に走者を置けば…という多賀章仁監督の強い信念が感じられた。

 金光大阪は古川君と岸本君のバッテリーが攻守で奮闘したが、3失策全てが失点に直結した。激戦区の大阪の夏に向け、他の選手はさらなるレベルアップの必要性を感じたはずだ。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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