【東京ベイ・根塚洸雅独占手記】開幕節の18季ぶり東京SG戦勝利が新しい歴史の始まりだった

[ 2023年5月21日 04:44 ]

ラグビーリーグワン プレーオフトーナメント決勝   東京ベイ17―15埼玉 ( 2023年5月20日    東京・国立競技場 )

<埼玉・東京ベイ>優勝し、スタンドの声援に応える東京ベイ・根塚(撮影・吉田 剛)
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 昨季新人賞の東京ベイ、日本代表WTB根塚洸雅(24)がスポニチ本紙に独占手記を寄せた。

 リーグワンで優勝しました!チームとしてはトップリーグ(TL)時代から含めて初めてのリーグ頂点。歴史を刻むことができて、最高にうれしいです。今は夢を見ているような、とても不思議な感覚です。

 歴史を変えることは、開幕節の東京SG(旧サントリー)戦から始まりました。チームはTL時代の04~05年シーズン以来、東京SGに勝てませんでした。試合登録メンバーにジャージーが渡された開幕節前日のこと。昨季引退した白井(竜馬)さんと(高橋)拓朗さんがクラブハウスに来てくださって「自分たちがいる時はサントリーに勝ったことないから、ホンマ頼むな!」と熱いメッセージを頂いたんです。そのエールを胸に開幕節ではトライを決めることができ、18季ぶりの東京SG戦勝利に貢献することができました。良いスタートを切れたことが、優勝という歴史的シーズンのゴールにつながったと思ってます。

 個人としては新人賞を受賞した昨季よりも成長できたと感じてます。大きな要因は日本代表活動です。昨秋は欧州遠征メンバーに選んでいただき、東京SGの松島(幸太朗)さんや東海大仰星の先輩で埼玉の(野口)竜司さんから、バックスリーとしての動き出し方やポジショニングの技術を吸収しました。昨季から本格的にWTBに挑戦した自分にとっては学ぶことが多かったです。

 東京ベイに入団したきっかけはリクルート担当の前川(泰慶)チームディレクターに声を掛けていただいたことです。実は、当時の自分も東京ベイのことが気になっていたので、今思えば“両思い”だったっていうことですね(笑い)。実際に練習へ行くと、選手たちが切磋琢磨(せっさたくま)しつつ、伸び伸びプレーしている姿が印象的で“このチームなら成長できる”と思い決意しました。

 最初は社員選手として入団しました。理由はラグビー以外での社会経験がなかったから。将来を見据えて、いち人間として知りたかったんです。社業は学びが多く、確実に今に生きています。

 そして、今年4月からプロ契約になりました。プロ転向を考え始めたのは代表初キャップを獲得した昨夏。世界で活躍したいって思った時に、もっとラグビーと向き合う時間が必要だと感じ、前川チームディレクターに相談しました。欧州遠征に行ったことで、よりW杯への思いが強くなったことも、大きなきっかけです。今秋にはW杯フランス大会もあるので、代表への意識は強いです。世界で活躍できるWTBを目指し、積み上げていきます!(東京ベイWTB)

 ≪新人賞候補の後輩木田に負けん!逆転T起点「予測力」で10メートル突破≫昨季新人賞の根塚も、後輩の木田に負けじと奮闘した。後半29分にはハイボールのキック処理のカバーから、こぼれ球を捕球して10メートル突破。今季の個人テーマだった「予測力」を生かし、瞬時の判断と素早いカバリングで逆転トライの起点となり「(相手の)ミスボールに反応できた」とうなずいた。自身初の国立競技場で味わった最高の舞台と日本一の景色をかみしめつつ「来年もう一度、ここに戻ってくるために努力する」と胸に刻んでいた。

 ◇根塚 洸雅(ねづか・こうが)1998年(平10)9月15日生まれ、兵庫県出身の24歳。幼稚園からラグビーを始め、小学校ではバドミントンと水泳、中学では陸上部と掛け持ち。東海大仰星―法大を経て21年4月にクボタ(現東京ベイ)入団。リーグワン初代新人賞。22年6月のウルグアイ戦で日本代表として初出場初トライ。趣味はコーヒーを豆からひくこと。1メートル73、82キロ。

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