山下美夢有が圧勝劇で今季2勝目 思い出の地での勝利に「ここで優勝できてうれしい」

[ 2023年5月21日 16:02 ]

女子ゴルフツアー ブリヂストン・レディース最終日 ( 2023年5月21日    愛知県 中京GC石野C=6573ヤード、パー71 )

<ブリヂストンレディス・最終日>優勝トロフィーを掲げる山下美夢有 (撮影・井垣 忠夫)
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 2打差首位から出た山下美夢有(21=加賀電子)が6バーディー、ボギーなしの65と伸ばし、通算18アンダーでツアー通算8勝目を飾った。4月の富士フイルム・スタジオアリス女子に続く今季2勝目。2位の岩井明愛(20=Honda)に7打差をつける圧勝劇だった。

 最後まで、勝負師の顔だった。最終18番、2メートルのバーディーパットはカップ左を抜けると悔しそうに苦笑い。「最後はちょっと入れたかった…」。短いウイニングパットを沈めると左拳を突き上げ、やっと満面の笑みが広がった。パーで終えても後続に7打差をつける圧勝劇。女王の強さを見せつける今季2勝目になった。
 「やっと自分らしいプレーができた。ショットが凄く安定していた。優勝することができてうれしいです」

 2打リードで出ると1番をバーディー発進する。4番パー3では第1打を6Iで30センチにピタリとつけ、8番パー4では第2打を3メートルに寄せてスコアを伸ばした。スコアメークに苦しむライバルを横目に、前半で2位以下に5打差をつける。後半も勢いは止まらず、10、11番での連続バーディーで一気に突き放した。第2ラウンドの7番以降、48ホール連続でのボギーなし。「大分、仕上がってきているかな」。隙を見せない完勝だった。

 雪辱Vでもあった。前週のRKB×三井松島レディースは、プレーオフの末に惜敗。コースでは気丈に笑顔で勝者を祝福したが、クラブハウスに戻ると悔しさをこらえ切れず涙があふれた。前年に続く2年連続で“母の日V”を目指していたからだった。試合後には母・有貴さんに「よく頑張った」と声をかけられた。この一言で、気持ちを切り替えられたという。「内容は悪くないので来週につなげたい」。そう誓った通り、今週は最高のフィナーレになった。

 このコースには思い出がある。19年にトヨタジュニア・ワールドカップで団体優勝を果たした舞台。この日に最終組で優勝争いをした岩井明愛らと世界のチームと戦った場所だ。そのアマチュア時代には秒速37メートルだったヘッドスピードが、今は同41メートルになった。座右の銘は「ちりも積もれば山となる」。その通りにコツコツと練習を積み重ね、プロになってふたたびこの場所で優勝杯をかかげた。「私がジュニアの時に、トヨタジュニアで優勝することができた。プロとしてまた、ここで優勝することができてうれしい」と実感を込めた。

 この勝利によって、ツアーNo.1を決めるメルセデスランクでふたたびトップに浮上。今後は、海外でのメジャーにも参戦する方針だ。「だいぶ調子は上がってきている。まだまだ試合も続くので、しっかりと体調管理をして、また来週から上位で戦えるように頑張りたい」。昨季5勝の女王が、ここから本領を発揮する。
 

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