【砂村光信 視点】東京ベイの勝因は速くて強いディフェンス 埼玉に普段のラグビーさせず

[ 2023年5月21日 04:43 ]

ラグビーリーグワン プレーオフトーナメント決勝   東京ベイ17―15埼玉 ( 2023年5月20日    東京・国立競技場 )

<埼玉・東京ベイ>前半、埼玉からコラプシングの反則を奪う北川(手前右から2人目)ら東京ベイFW陣(撮影・吉田 剛)
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 東京ベイの勝因は、普段はミスが少ない埼玉のミスを誘い、相手に普段のラグビーをさせなかったことだ。トライ数では1本上回られたものの、速くて強いディフェンスでプレッシャーをかけ続けてペナルティーを誘い、4PGにつなげた。特に木田、根塚の若いWTBのFW並みに強いディフェンス力は目を引いた。埼玉はフェーズを重ねて防御を崩す攻撃を得意とするので、プランを遂行しづらかったのではないか。

 トップリーグ時代には2部の時期もあった東京ベイだが、16年にルディケHCが就任し、立川主将とじっくり築いた土台が近年の躍進につながっている。決して短期間で成果を出すタイプの指揮官ではないが、選手を長い目で見て育成できる。31歳のロック青木、高校時代はレギュラーですらなかった途中出場のプロップ加藤らがファイナルで活躍できる選手に育ったのはルディケHCの手腕だろう。2季連続で新人賞選手を輩出し、今季も木田が有力候補。大物外国人頼みではなく、躍進の源泉に育成力があるだけに、今後しばらくはプレーオフの常連になるのではないか。

 最後に準決勝では2試合で計11回ものTMO(ビデオ判定)があったが、決勝はゼロ。スムーズなレフェリングで試合を盛り上げたマッチオフィシャルにも拍手を送りたい。(元U―23日本代表監督)

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