東京ベイ 初優勝!王者埼玉撃破 低迷期支えた立川主将が逆転Tアシスト「恩返しできた」

[ 2023年5月21日 04:45 ]

ラグビーリーグワン プレーオフトーナメント決勝   東京ベイ17―15埼玉 ( 2023年5月20日    東京・国立競技場 )

<埼玉・東京ベイ>優勝し、歓喜の立川(中央)ら東京ベイフィフティーン(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 レギュラーシーズン2位の東京ベイが前身のトップリーグ(TL)時代から通じて初優勝を飾った。同首位で昨季王者の埼玉に17―15で逆転勝ち。低迷期を知る主将のCTB立川理道(33)から新人賞候補のWTB木田晴斗(24)へつないで逆転トライ。オーストラリア代表SOバーナード・フォーリー(33)ら世界を知る名手が植え付けたウイニングカルチャーが、TLを含めて最多となった4万1794人の観客の前で花開いた。

 国立に駆けつけたオレンジアーミー(サポーターの愛称)が、後半40分を告げるホーンまでカウントダウンした。「3、2、1…ゼロ!」。鮮やかなオレンジ軍団の歓喜の輪が広がった。東京ベイがTL初年度の03~04年シーズンから通じて初戴冠。主将7季目にしてトロフィーを掲げた立川は「感慨深い。苦しい時代を知るOBにも恩返しできた」と感情を言葉に込めた。

 チームの歴史を象徴する逆転劇だ。12―15と逆転されて迎えた後半29分、敵陣22メートル内中央から立川が左サイドへ華麗なキックパス。今季ブレークした木田が捕球し、5メートル先のインゴールへ突破して雄叫びを上げた。低迷期を支えた大黒柱のアシストからスーパールーキーが逆転トライという、これ以上ないハイライト。木田は序盤に相手タックルを受けた影響による脳振とうで一時退場しながら「(自分の)べーシックを出してポジショニングできた。うれしい」と涼しい顔だった。

 11~13年は2部に当たるトップイーストリーグに沈んだ。当時を知る立川は「ここまで(優勝を)イメージできなかった。少しでも順位を上げようとやってきた」と振り返る。TL昇格以降も、14~15年シーズンから4季連続で11位以下。基礎技術のなさに驚いた田辺淳コーチは「1日100回ボールを触れ」と一から指導した。OBたちが「負ける景色を見る方が多かった」と話すほど苦しんだ。

 そんなチームを変革したのがワールドクラスのメンバーたち。南アフリカ代表で指導歴のあるフラン・ルディケ・ヘッドコーチ(HC)が16年に就任したことを筆頭に、南アフリカ代表フッカーのマークスや元ニュージーランド代表CTBクロッティらが加入。フォーリーが「各国のいいところ取りで注入したよ」と話すように“勝利の文化”を浸透させてきた。

 大きく歴史を塗り替えたシーズンを「締めくくる素晴らしいファイナルになった」と立川。これから目指すのは連覇の景色。リーグワンで常勝軍団になる。

 ▽クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 1978年に創部し、クボタ創業100周年の90年にカンパニースポーツとして千葉県船橋市の京葉工場内にグラウンドとクラブハウスを整備し、本格的に強化を開始。94年に関東社会人リーグ1部に昇格し、96年初優勝。トップリーグは03年の発足から参戦。11年に2部にあたるトップイーストに降格も、13年に復帰。21年に初の4強入りを果たした。ファーストジャージーはオレンジ色で、サポーターの愛称は「オレンジアーミー」。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月21日のニュース