引退の栃ノ心へ…元付け人たちが語る感謝と恩返し 栃満「やっぱり凄い」栃丸「心の支え」

[ 2023年5月21日 13:28 ]

大相撲夏場所8日目 ( 2023年5月21日    東京・両国国技館 )

<大相撲夏場所8日目>網打ちで吉野を破った栃満(右)(撮影・西海健太郎)
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 19日に現役引退を発表した元大関・栃ノ心(35=春日野部屋)の付け人を務めていた幕下以下の力士たちが、それぞれ兄弟子への感謝の思いを明かした。

 この日、吉野(20=二子山部屋)を「網打ち」の珍手で下して3勝目を挙げた三段目・栃満(27=春日野部屋)は、昨年の秋場所頃から今場所まで付け人を務めていた。「栃ノ心関の最後の付け人をできたのは感慨深い。ありがたいなと思います」。現役最後の半年間、満身創痍の体で必死に闘う姿から学ぶこともあった。「1月に(左肩を)ケガして“もう無理かも”と言っていた。それでも3月で5番勝ったのを見て、やっぱり凄いなと。僕らなんかまだまだ健康体なので…」。元大関の生き様を間近で見て、大きな刺激を受けた。

 7日目に登場した元十両の幕下・栃丸(30=春日野部屋)は、入門してから最初に付いた関取が栃ノ心だった。12年から13年にかけて担当。「離れてからもかわいがってもらった。(引退は)悲しいけど、栃ノ心関の分まで頑張れたらなと思います」と話した。栃ノ心が右膝前十字靱帯断裂の大ケガを追った13年名古屋場所も付け人として近くで見ていた栃丸は、自身もその後膝のケガに苦しんだ。「ケガのこととか相談をいろいろ聞いてくれて、僕にとって心の支えでした」。稽古では普段から胸を出してもらい、その甲斐あって昨年夏場所で新十両に昇進。現在は幕下16枚目に番付を下げており「一度(十両に)引き上げてもらったので、また上がって恩返しできるように頑張ります」と、関取復帰を誓った。

 同じく7日目に登場した幕下・栃清龍(28)は、一昨年に付け人を担当。18年の大関昇進時には、記念撮影用に栃ノ心を担ぐ騎馬を作ったうちの1人だった。栃清龍も普段の稽古や巡業でよく胸を借りており「四つ相撲相手にはこういう攻めをしたらいい」といったアドバイスを受けていたという。「これまで栃ノ心関や碧山関に頼っていたので、幕下のみんなで番付を上げていこうと思います」。現在春日野部屋には、関取経験者を含め幕下力士だけで7人いる。少しでも番付を上げていくことが、土俵を去った兄弟子への恩返しになる。

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