コロナ場所は千秋楽まで大混乱 観客上限撤廃も「不戦」にため息 秋場所には厳格対応を

[ 2022年7月25日 05:10 ]

大相撲名古屋場所千秋楽 ( 2022年7月24日    ドルフィンズアリーナ )

協会あいさつを行う八角理事長(中央)ら三役力士(撮影・椎名 航)
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 コロナ関連で休場力士続出の場所は最後の最後まで大混乱だった。千秋楽は幕内・北勝富士の陽性が判明し、師匠の八角理事長(元横綱・北勝海)が幕内取組の開始前に協会あいさつを行った後、職務を離れるドタバタ劇。場所中に初めてコロナ関連で力士が離脱するなどアクシデント続きだった異例の場所を総括した。

 満員御礼の垂れ幕がかからなかったが、千秋楽は今場所最多7696人の観客が来場した。しかし、錦富士―北勝富士、隠岐の海―千代丸が2番続けて「不戦」となると、館内には失望に近いため息が充満した。

 今場所はコロナ下で初めて観客の上限を撤廃して開催した。ところが7日目の出羽海部屋を皮切りに途中休場が続出し、全体の3割近い174人が休場。13日目は幕内18番中7番が不戦という異常事態が起きた。故障者を含む十両以上の休場23人は戦後最多。場所前の感染判明による全休措置は13部屋に上った。千秋楽には八角理事長(元横綱・北勝海)も途中で職場を離れ、表彰式は陸奥事業部長(元大関・霧島)が代行。逸ノ城の初優勝もかすむドタバタ劇の連発だった。

 これまでは徹底した検査の実施と場所中の厳しい規制で感染拡大を未然に防いできたが、初めてコロナ感染で途中休場する力士が現れた。協会はクラスターは発生せず個々の市中感染によるものという認識だが、同じ宿舎で生活をする親方、力士らは全員休場となる。看板力士が多く欠場すれば興行にも影響を及ぼすことになる。

 秋場所での感染状況は不透明だが、「今後対策を考えないといけない」とある協会幹部は話す。場所入りは公共交通手段を避けるとか、関取は別宿にするなど厳格な対策も必要ではないだろうか。金銭面の負担は大きいが、看板力士不在の悪循環よりリスクが少ないと考える。

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2022年7月25日のニュース