逸ノ城「いつか絶対優勝できるって信じて頑張ってきた」悲願成就に感慨 優勝一夜明け会見

[ 2022年7月25日 12:05 ]

優勝一夜明け会見を行った逸ノ城(日本相撲協会提供)
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 大相撲名古屋場所で初優勝を果たした幕内・逸ノ城(29=湊部屋)が25日、一夜明け会見を行った。

 混戦の場所を制して念願かなえ「本当に優勝できたんだな」と実感を込めた。新入幕から8年。当時の最強横綱・白鵬と千秋楽まで優勝を争った怪物がついに賜杯を手にした。優勝争いに加わることは何度かあっただけに「長かったな」と振り返った。その中で「自分もいつか絶対優勝できるって信じて頑張ってきた」という。強い気持ちと信念がようやく花開いた。

 今場所は初日から6連勝スタートと絶好調。この時点で早くも「もしかしたらいけるんじゃないか」と優勝を意識したという。しかし翌日から連敗。「考えすぎてこれはダメだなと思って、気持ちを切り替えて相撲に集中した。終盤の方が考え過ぎないでいけた」。210キロの体重を生かした力強い相撲をすぐに取り戻した。「踏み込みとか、立ち合いからまわしが取れたことが良かったと思います」と今場所の内容を振り返り、勝因を分析した。

 千秋楽、宇良に勝って3敗を守り、支度部屋のテレビで見守った結びの一番。「もう一番あると思って、自分の力を出し切るつもりでいた」と決定戦に備えていた。それでも優勝は8年越しの悲願。決まればうれしいのは当然のこと。3敗の横綱・照ノ富士が敗れた瞬間は「正直めっちゃうれしかったです。大関(貴景勝)に期待してて、勝ってくれてホッとしました」と本音を明かして頬を緩めた。

 優勝を争った照ノ富士とは12年前の春に同じ飛行機で来日し鳥取城北高で1年間ともに過ごした仲。「照ノ富士関と優勝争いしたのは初めてなので、一緒に来た仲間として今回は本当良かったと思っています」。盟友と最後まで優勝を争い、感慨深い思いを語った。優勝を決めた夜には、鳥取城北高の石浦外喜義校長(61)や相撲部顧問のレンツェンドルジ・ガントゥクス氏(37)から「よく頑張ったな、おめでとう」と祝福の言葉をかけられた。

 腰のケガなどを乗り越えての初優勝。「親方、おかみさん、部屋のみんな、周りにいるみんなのおかげだと思っています。お世話になっているので感謝の気持ちでいっぱいです」。一つ恩返しを果たし、次はさらに上の番付を目指す。「優勝したことをきっかけにして上を目指せるように頑張っていきたい」。自己最高位である関脇の地位からは3年以上遠ざかっており「三役、大関を目指していきたいですね」と力を込めた。

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2022年7月25日のニュース