林享氏 東京五輪経験し成長した水沼 世界で戦える選手ようやく出てきた

[ 2022年6月26日 02:35 ]

水泳 世界選手権第7日 ( 2022年6月24日    ハンガリー・ブダペスト )

男子100メートルバタフライ決勝、力泳する水沼(撮影・小海途 良幹)
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 【林享の目】日本競泳界にとって歴史的なメダルといえる。バタフライは200メートルでは山本貴司、坂井聖人、本多灯ら世界選手権や五輪でメダルを獲る選手はいたが、よりスプリント能力が必要な100メートルで世界と戦える選手がようやく出てきた。

 水沼の特徴はキック。バタフライでは1ストロークで2回キックを打つが、水沼は腕をかき終わるタイミングで打つ第2キックが特に力強い。多くの選手がペースを落とす最後の25メートルもキックの力が落ちず、スピードに乗れる。決勝の2位争いは僅差だったが、最後のタッチもしっかり合った。大舞台でタッチを合わせられたのは19年世界選手権、昨夏の東京五輪を経験したことが大きい。

 この種目は今回は棄権した世界記録保持者のドレセル、金メダルのミラクが抜けており、パリ五輪で優勝を狙うには50秒を切ることが最低条件。水沼は後半のために力をためる25~50メートルを、いかに楽に速く泳げるかが鍵になる。金メダルから逆算して2年後にタイムを1秒短縮する強化計画を立ててほしい。(92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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