山沢“代表仕様”でSO争い猛アピール、5年ぶり先発はファンタジスタ封印 快勝導く

[ 2022年6月26日 05:25 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2022第2戦   日本43―7ウルグアイ ( 2022年6月25日    ミクニワールドスタジアム北九州 )

<日本・ウルグアイ>後半、キックパスを出す山沢(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 世界ランキング10位の日本代表は同19位のウルグアイ代表との第2戦に43―7で快勝した。代表予備軍に当たるナショナル・デベロップメント・スコッドで臨んだ第1戦に続いて連勝。SO山沢拓也(27=埼玉)は17年アジア選手権香港戦(香港)以来、5年ぶり2度目の代表先発で3PG、9得点。李承信(21=神戸)、中尾隼太(27=BL東京)と繰り広げるし烈な司令塔争いでアピールに成功した。

 桜仕様の“NEW山沢”の誕生だ。5年ぶりとなった代表先発で通算4キャップ目。「緊張した。今回の試合がファーストキャップぐらいの感覚。フレッシュな気持ちだった」。司令塔として勝利に導き、安堵(あんど)の表情を見せた。

 トリッキーなキックパスや幅広いプレー選択を強みとするファンタジスタ。その持ち味に堅実性が融合した。所属チームの埼玉ではショートパントやキックで自ら敵陣へ持ち込む個人技が光るが、この日は“らしさ”封印。キック多用を控え、パスを選択するなどタレントがそろう代表で黒子に徹した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも「良いパフォーマンスだった。彼は可能性がある」と認めた。

 PGでは“らしさ”全開だった。5―0の前半9分、センター方向約50メートルの距離を決めると、同16分と同23分も決めて3連続成功。強風下の難しいコンディションに対応し「自分らしさを出せた」と納得の表情だった。

 今月3日からの宮崎合宿では桜の帝王学に触れた。宿舎ではリーチと同部屋だったという。通算73キャップを誇る男と時間をともにし「練習に対しての姿勢や準備、取り組む姿勢が参考になった」と肌で感じた。

 今夏の日本代表には田村(横浜)が招集されず、松田(埼玉)はケガにより選考外で19年W杯を戦ったSOが不在。来年のW杯フランス大会へ、桜の司令塔争いは激しさを増すが「先のことを考えずに自分のやれることをやり切るだけ」と山沢。クールな男の進化は止まらない。

 ◇山沢 拓也(やまさわ・たくや)1994年(平6)9月21日生まれ、埼玉県出身の27歳。埼玉・深谷高―筑波大―埼玉(旧パナソニック)。サッカーと並行し中学からラグビーを始め高3時に日本代表合宿に練習生として参加。大学4年だった16年にトップリーグでデビュー。ポジションはSO/FB。1メートル76、84キロ。

続きを表示

2022年6月26日のニュース