伏見工の伝統受け継ぐ京都工学院が全国1勝 ゆず岩沢提供の「紅歌」でメンバー燃えた

[ 2022年3月25日 12:10 ]

第23回全国高校選抜ラグビー大会第1日 1回戦   京都工学院(京都) 47―7(前半28―7) 朝明(三重) ( 2022年3月25日    熊谷 )

<京都工学院×朝明>前半5分、抜け出して先制トライを決める京都工学院の富山
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 全国高校大会(花園)優勝4度の強豪・伏見工を前身とする京都工学院が6大会ぶり8度目、学校統合による16年の校名変更以降では初の出場となった全国大会で初勝利を挙げた。伏見工3年時の00年度にフランカーとして全国制覇に貢献した大島淳史監督(39)は就任4年目で全国初勝利となった。

 伏見工の伝統を受け継ぐ赤と黒のジャージーをまとった京都工学院フィフティーンは、試合前に部歌を歌って気合を入れた。山口良治総監督(79)の名言「信は力なり」という一節もある「紅歌(こうか)」は、自身もラグビーをプレーしていたゆずの岩沢厚治から提供されたものだ。大島監督が全国制覇した00年の花園で、ゆずの「日だまりにて」がイメージソングに使われた縁で個人的に付き合いがあり、監督就任時に「監督になった時に、チームとして10、20年後も残るものをつくりたい」と依頼したという。全国大会出場時にお披露目する予定だったが、選抜出場を決めた2月の近畿大会で初めて披露。選抜出場が決まった時は岩沢から「おめでとう」とLINEが届いたそうで、大島監督は「部歌のおかげです。もっと恩返しをしないといけないですね」と力を込めた。

 試合は前半5分のCTB富山泰成(2年)の先制トライを皮切りに、バックスの突破力を主体に前半だけで4トライ。後半も3トライを追加して快勝し、CTB石田一休主将(同)は「全国の舞台に恥じないプレーをしようと言っていた。チャレンジャーとして新しい歴史をつくるという面では、1勝できて新しい創造ができたと思う」と振り返った。試合前の「紅歌」は「みんな“この歌やったら勝てる”という雰囲気が出た。気合が入って自然と涙が出た」という。

 大会前にリーグワン東葛のSH田中史朗が激励に訪れたり、試合前日には会場の熊谷を本拠にしている埼玉のSO松田力也やSH内田啓介が練習に来てアドバイスを授けるなど、伝統校らしく有力OBのサポートも受けた。「いいエネルギーをもらった。いろんな人の応援、期待に応えたい」と石田主将。京都工学院が全国から遠ざかる間、同じ京都では京都成章が花園準優勝などの実績を残しているが、「この大会は優勝が目標。成章さんを倒して、自分たちがまず頂点に立ちたい」と意気込んだ。

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