大西翔太〝即効〟ラウンド術⑪ FWをうまく打つ練習法

[ 2022年3月25日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑪ FWをうまく打つ練習法
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 使いこなすと大きな武器になるのに、意外と使いこなせていないのが、フェアウェーウッド(FW)。そこで今回はFWをうまく打つための練習法がテーマです。よく上から打ち込むのか、横から払うのか論争になりますが、大西翔太コーチは後者をお勧めします。そのためにはスイング軸がポイントになると指摘します。荒川侑奈選手は大西コーチに教わったドリルを試して、納得顔でした。ミート率を上げて一気にスコアを縮めましょう。 動画で見る・大西翔太直伝!FWをうまく打つ練習法

 大西 アベレージゴルファーに苦手な人が多いFWですが、荒川さんはどうしてだと思いますか?

 荒川 やっぱりクラブが長いことと、地面の上にあるボールを打つからじゃないですか?

 大西 そうですね。1Wだとティーアップしているので、多少当たりが悪くてもある程度は飛んでくれます。しかし、FWは地面の上から打つため、どうしても当たりにバラツキが出てしまいます。

 荒川 どのような点に注意しながら打てばいいのでしょうか?

 大西 2つあります。1つはスイング軸を傾けないこと。私は背骨に沿った体の軸をスイング軸と呼んでいますが、FWを打つ際、ダウンスイングでこのスイング軸を傾けてしまう人が多いんです。それが原因で振り遅れが生じ、右や左へボールを打ち出します。

 荒川 どうしてスイング軸が傾くんですか?

 大西 ボールの手前をダフりたくない気持ちから、クラブヘッドをボールの上から下ろそうとするのが原因です。その際、上体が目標方向に突っ込むので、スイング軸が左に傾きます。振り遅れる際にクラブフェースが開いていると、ボールは右に曲がります。それを頭で理解しているから、手首を使ってフェースを返して防ごうとしますが、今度は引っかけが出るわけです。

 荒川 スイング中に手首はなるべく使わないほうがいいんですね。

 大西 それが2つ目の注意点になります。右手でも左手でも構わないので、ダウンスイングからフォロースルーにかけて、手首の角度を変えないようにすることで、一気にミート率は上がります。

 荒川 自分では手首の角度を変えている意識はないんですが…。

 大西 そこでお勧めしたいのが、ハイティーアップドリルです。練習場で高めのゴムティーに乗せたボールを打つ練習です。ポイントはゴムティーを打たずにボールだけを打ちます。スイング軸を左右に傾けることなく、手首の角度を変えずにクラブを振ることができれば、ボールだけをクリーンに捉えることができます。逆に、スイング軸が傾いたり、手首を使うと、テンプラやトップなどのミスが出るので、間違った動きをしていると判断しましょう。

 荒川 実際に試してみると、結構難しいですね。

 大西 アドレスでは、ヘッドをソールして構えるのではなく、ボールの右サイドにフェース面がくるように、地面から浮かせた状態で構えましょう。

 荒川 なるほど、このドリルを行った後に、地面の上にあるボールを打つと、ダフリやトップといったミスが無くなる感じがしました。

 大西 ヘッドの軌道が安定したからです。スイング軸が傾かなければ、ヘッドはボールの横から緩やかな角度で下りてきますし、手首を使わないことで、ボールを真っ直ぐ打ち出せるようになります。

 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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