東京SG“笑う狙撃手”マッケンジー、キックだけで25得点 NZの名キッカー、リーグワン開幕に花添えた

[ 2022年1月9日 05:30 ]

リーグワン第1節第1日   東京SG 60- 46 BL東京 ( 2022年1月8日    味スタ )

<東京SG・BL東京>前半20分、PGの前にほほ笑むマッケンジー(撮影・篠原 岳夫)
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 新時代の幕開けだ。ラグビーの新リーグ「リーグワン」は8日、各地で開幕戦3試合が行われた。新型コロナウイルスの陽性者が出た影響で7日の開幕戦は中止となったが、仕切り直しで東京SG(旧サントリー)はBL東京(旧東芝)を60―46で破り、記念すべき1勝。新加入のニュージーランド代表通算40キャップの“ほほ笑みの貴公子”SO/FBダミアン・マッケンジー(26)は13本中10本のキックを決めた。浦安(旧NTTコミュニケーションズ)、横浜(旧キヤノン)も初戦を白星で飾った。

 ニヤッ。そのほほ笑みが、ついに降臨した。前半5分の1本目は失敗したが、5―7の同15分。マッケンジーはキックルーティンの途中、いつものように頬を緩める。表情は見て取れないが、味の素スタジアムに駆けつけた1万75人の視線はくぎ付けだ。すぐに真剣な表情に戻ると、左中間から約25メートルのゴールを成功する。「全体的に良いキックができた。たくさんの観客の前でプレーできてうれしい」。13本蹴り、10本決める25得点。上々のデビューだった。

 “ほほ笑みの貴公子”として知られるニュージーランド代表のスター選手。キックの前に笑う理由は「リラックスした状態でボールを蹴ることができるように」といい、大切にしているプロセスという。

 キックだけではない。前半3分には華麗なパスを披露し、チームの初トライにつなげるなど攻撃の起点になる。「テンポの速いラグビーは(自分のスタイルに)合うと思う」と手応えを口にした。

 新リーグとして幕を開けたリーグワン。コンセプトは「GO FOR ONE まだ世界にないリーグをつくろう」。チームが試合の興行権を持ち、ファンサービスにも力を入れる。トップリーグより、さらに外国人選手への門戸は開かれ、マッケンジーのような世界的プレーヤーが、どんどん、やって来る。

 今後も注目のカードがめじろ押し。2月26日の第7節には埼玉戦が控えており“笑わない男”稲垣啓太(31)との直接対決は話題必至。「これからも楽しみ」と試合後は爽やかスマイル。世界の名手の技とともに新たな歴史の扉が開かれた。

 ◇ダミアン・マッケンジー 1995年4月20日生まれ、ニュージーランド・インバーカーギル出身の26歳。15年に地元のチーフスでスーパーラグビーデビュー。翌16年5月のウェールズ戦で代表デビューを果たす。19年4月に膝を故障し、同年のW杯代表入りは逃した。代表通算キャップは40。ポジションはSO/FB。1メートル77、78キロ。利き足は右。「ダミアンかDマックと呼んで」と希望。

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2022年1月9日のニュース