札幌山の手 2年ぶり初戦突破 定年の佐藤監督へ白星プレゼント

[ 2021年12月29日 05:30 ]

第101回全国高校ラグビー大会1回戦   札幌山の手36―10黒沢尻北 ( 2021年12月28日    花園 )

<札幌山の手・黒沢尻北>前半、札幌山の手・バハフォラウはトライを決める(撮影・大森 寛明)
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 4年連続20度目出場の南北海道代表・札幌山の手が黒沢尻北(岩手)を36―10で下し、2年ぶりに初戦を突破。6トライを奪って圧倒し、今年度で定年となる佐藤幹夫監督(60)に節目の1勝をプレゼントした。88年創部以来指揮を執り、日本代表前主将のリーチらを育てた佐藤監督は、感慨深げに選手たちを見つめた。

 「創部当時は花園が夢のまた夢だったが、20回も来ることができた。定年の節目の年に最高のプレゼントをいただいた」

 FW陣の平均体重は92キロ。相手よりも8・9キロ上回り、その強みを発揮した。前半3分。ゴール前のラックから大阪出身のフッカー山本陽生(3年)が左中間に先制トライをねじ込み、「トライを奪って勢いをつけたかった」と胸を張った。

 さらにSOステファン・バハフォラウ(3年)が存在感を示した。前半12分に中央でボールを受けると、「自分の前が空いたのでチャンスと思った」と約30メートルを独走してトライ。その後もバハフォラウを中心に攻撃を展開した。昨年はコロナ禍で来日が遅れた影響で体重が増え、そこから16キロの減量に成功し、「今年のコンディションは完璧です」と笑った。

 12月中旬にはリーチからパーカのプレゼントが選手に届き、ワンチームの意識が高まった。大会直前の福岡遠征では東福岡などと練習試合を行い、「スクラムなどで手応えがあった」と佐藤監督。勢いをつけて花園に乗り込んだ。

 あす30日の2回戦でシード校の大阪桐蔭(大阪第3)と対戦する。シード校撃破を合言葉にしながら、過去の出場では壁に阻まれ続けたが、WTB吉田慎吾主将(3年)は「監督が定年なので勝って年を越したい」。来年度から総監督となる予定の佐藤監督に年越しのプレゼントを誓った。(武田 政樹)

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2021年12月29日のニュース