36歳条治 ぶっつけ五輪予選!5大会連続出場へ Sスケート29日から代表選考会

[ 2021年12月29日 05:30 ]

加藤条治
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 スピードスケートの北京五輪日本代表選考会は29日、長野市エムウェーブで開幕する。28日に公式練習が行われたが、男子500メートルで5大会連続の五輪出場を目指す加藤条治(36=博慈会)にアクシデントが発生。会場に向かう自動車を運転中に追突事故に遭い、本番会場での練習をキャンセルした。関係者によると、ケガはないが、大一番をぶっつけ本番で迎える非常事態に陥った。

 5大会連続の五輪出場が懸かる日本代表選考会の公式練習。隔離期間中のW杯メンバーを除く大半の選手が午後2時から最終調整を行う中、加藤は姿を見せなかった。日本スケート連盟関係者は「練習に向かう途中で追突事故に遭い、練習時間に間に合わないと連絡がありました。ケガはないとのことです」と説明した。

 加藤は自らハンドルを握り会場のエムウェーブに向かう途中で追突事故に遭ったという。事後処理などで指定時間内に会場に到着できなかったため、練習をキャンセルした。長野市在住で練習拠点はエムウェーブ。勝手知ったる会場で氷の特徴を把握しているとはいえ、初日にレースを控える男子500メートルの前日に練習をできず、ぶっつけ本番となることは逆風だ。

 男子500メートルの五輪出場枠は3。11、12月のW杯4大会で好成績を残した新浜、森重が既に代表入りを確実にしており、残り1枠しかない。今季W杯で初勝利を挙げた松井、国内最高記録保持者で今季W杯で2度表彰台に上がった村上ら実力者が最後の枠を争う。

 加藤は10月の全日本距離別選手権で7位に終わり、W杯代表入りを逃したが「一発のレースに集中して記録を出すことは可能」と逆転での五輪切符を狙っている。4年前の平昌五輪代表選考会では、下馬評を覆して五輪切符を獲得。的を絞ったレースにピークを合わせる調整力、大舞台での勝負強さには定評がある。百戦錬磨の大ベテランが不測の事態を乗り越えられるか。腕の見せどころになる。

 ▽北京五輪出場枠 W杯1~4戦の結果で、日本は女子が8人、男子が7人の出場枠を獲得。種目別では女子500、1500、5000メートル、マススタート、男子500、1000、1500メートルなどで最大の出場枠を得た。女子の小平、高木美、佐藤、男子の新浜、森重の5人がW杯で日本スケート連盟が定めた選考基準を満たし、代表入りを確実としている。残りの代表選手は今大会の成績を踏まえて、31日の全日程終了後に発表される。

 ◇加藤 条治(かとう・じょうじ)1985年(昭60)2月6日生まれ、山形市出身の36歳。05年11月のW杯ソルトレークシティー大会500メートルで34秒30の世界新記録(当時)を樹立。自己ベストは13年1月に記録した34秒21。500メートルで06年トリノ五輪6位、10年バンクーバー五輪銅メダル、14年ソチ五輪5位、18年平昌五輪6位。W杯通算14勝は日本勢の男女合わせて歴代5位。1メートル65、67キロ。血液型O。

 《隔離影響で日程変更》高木美、小平、新浜らW杯第1~4戦に出場したメンバーは10~12日の第4戦(カナダ・カルガリー)後に帰国。29日午前0時で14日間の隔離期間を終えた。隔離中は長野エムウェーブで練習を行っており、28日も他の出場選手と時間をずらした午前に最終調整を実施。当初、代表選考会は27~30日に開催予定だったが、W杯組の隔離の影響で29~31日に変更された経緯がある。

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2021年12月29日のニュース