飯田 4大会ぶり花園勝利 大会最少17人 1人故障も一丸で乗り切った

[ 2021年12月29日 05:30 ]

第101回全国高校ラグビー大会1回戦   飯田31―8富山第一 ( 2021年12月28日    花園 )

<富山第一・飯田>後半、トライを決め喜ぶ飯田・新井(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 2年ぶり10回目出場の飯田(長野)は1回戦で富山第一を31―8で下し、17年度以来4大会ぶりの勝利を挙げた。得意のドライビングモールからフランカー河合晴太(2年)が2トライ。選手17人は今大会最少ながら、まさに一丸となった。30日は初の大会2勝を懸けて目黒学院(東京)と対戦する。

 先発FW8人の平均体重86・25キロは富山第一の89キロに劣る。にもかかわらず、モールを組めば一方的という押しっぷりだった。無観客の中で入場を許可された保護者らは分かっている。モールが形成されると、チームカラーの緑の応援グッズを鳴らす力が増した。

 前半の16分、22分に挙げた2トライはドライビングモールから。練習試合で対戦している相手に対策されることを覚悟して、得意の戦術で勝負した。小林克監督(27)は「対策を上回るぐらい練習をしてきた。うまくいった」と、就任1年目での花園1勝を喜んだ。

 元来は展開ラグビーのチームが、今季は「たまたま体の大きい選手が集まった」(小林監督)とFW戦を志向。モールの練習はバックス陣にも手伝ってもらい、人数不足を補いながら武器を磨いた。この日は故障を抱えるWTB近藤皓哉(2年)を大事を取って起用せず16人での戦いだったが、乗り越えた。

 ドライビングモールから飛び込んだのは2本とも河合。“主役”の座に照れながら「モールは1センチずつでも前に進むことを練習からやってきた。FWの大きい人が前を固めてくれたおかげ」と振り返った。父・圭さん(47)は飯田ラグビー部OB。自身は県予選4強が最高で、聖地に立った長男を誇らしげに見守った。校長を務める上郷ラグビースクールの卒業生7人がメンバー入りしており「地元の皆さんに恩返しできた」を目を細めた。

 《3兄弟大舞台 棚田も決めた》CTB棚田祥乃介(3年)が4年前の長兄・純乃介さん、2年前の次兄・晃乃介さんに続く花園出場。後半5分、ゴール前でこぼれ球を拾って後半1本目となるトライを挙げた。「FWはモールで前進してくれたが、バックスは自陣に戻す展開が多かった」と冷静に振り返り、機能していたディフェンスについても「組織的なところが課題」と、さらに高みを見据えた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月29日のニュース