パラスキー村岡桃佳 “二刀流”の代償明かすも「良い影響を与えてくれている」

[ 2021年12月29日 17:17 ]

村岡桃佳
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 18年平昌パラリンピックのアルペンスキー座位で金を含む5つのメダルを獲得し、来年の北京大会の日本代表に内定してる村岡桃佳(24=トヨタ自動車)が29日、オンライン取材に応じた。自身3度目となる冬の大舞台まで残り約2カ月。陸上との“二刀流”として集大成と位置付ける北京へ「ゴールに向かって駆け抜けたいし、メダルを獲得したい」と決意を語った。

 今季は2シーズンぶりの出場となったW杯で8勝をマーク。だが、村岡から安どの表情は一切見えなかった。「8勝と聞くと順調に聞こえるが、内容を振り返ると、あまり満足はなく改善するべき点がある」という。

 課題は明確だった。「レース感覚が鈍っていた」。東京パラリンピックを目指し、19年春から陸上に挑戦。今夏の大舞台では女子100メートル(車いすT54)で6位入賞を果たした。しかし、陸上練習に時間を費やしたため、スキーでは「2年半のブランクがある。離れていた期間の影響というか、代償があるとな感じた」。レースでのライン取りやコース攻略などが「自分の中でイメージが湧きづらくなっている」と打ち明けた。

 それでも、二刀流の挑戦を決めたことに後悔はないという。「トレーニングなど陸上を通して変わったこともある。強くなった部分もある。スキーに対して、良い影響を与えてくれていると改めて感じた。残りの期間で、よりレースに対する実践的な部分を積み重ねて、足りない部分を埋めていければいい」。二刀流による相乗効果で、冬の女王の座は譲らない。

 ◇村岡 桃佳(むらおか・ももか)1997年(平9)3月3日生まれ、埼玉県深谷市出身の24歳。正智深谷高―早大。トヨタ自動車所属。4歳の時に脊髄炎を患い、両下肢機能全廃で車いす生活に。スキーは9歳から始め、中学2年から本格的に競技としてのパラアルペンスキーを開始。17歳で日本代表に初選出。14年ソチ大会でパラリンピックに初出場し、大回転で5位入賞。18年平昌大会では金1、銀2、銅2の5つのメダルを獲得した。

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2021年12月29日のニュース