7人制ラグビー 松井、藤田 リオ落選の雪辱 男女五輪代表各12選手発表

[ 2021年6月20日 05:30 ]

東京五輪7人制ラグビー男子日本代表の松井千士主将(中央)ら(C)JRFU
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 日本ラグビー協会は19日、東京五輪の7人制ラグビー日本代表内定選手を男女各12人発表し、男子は16年リオデジャネイロ大会でバックアップメンバーだった松井千士(ちひと、26=キヤノン)と藤田慶和(27=パナソニック)の2人が6年越しの初選出を果たした。5年前は4強入りを果たしたチームと行動を共にしたが、心からは喜べなかった。悔しさをバネに成長を遂げた2人が、悲願のメダル獲得へと突き進む。

 紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、夢をかなえるためにスタート地点に立った。オンラインで行われた発表会見。岩渕健輔ヘッドコーチ(HC)が「自信を持って選出することができた」という12人に選ばれた主将の松井は「選ばれたことを誇りに思う」と言い、藤田は「やっとスタートラインに立てた。しっかり準備をして、目標のメダルを目指す」と語った。

 5年前は華々しい代表候補発表会見が実施され、出席した2人はその後に落選が決定。気持ちはくすぶった。切り替えてバックアップメンバーとしてリオに乗り込んだが、仲間たちの活躍をスタンドから見守るしかなかった。松井も「ラグビー人生で一番悔しく、メンタルもしんどかった」と振り返る出来事。悲願の代表入りをかなえる原動力となった。

 ただ2人とも、一直線にTOKYOを目指してきたわけではない。藤田は一度は7人制に見切りをつけ、再び15人制で代表入りを目指した。17年秋にはジェイミー・ジョセフHC体制で初めて、追加招集を受ける形で再選出。敵地で23―23で引き分けたフランス戦にも途中出場した。リオ後の17年4月にサントリー入りした松井は、2年目は度重なるふくらはぎの肉離れに苦しんだ。リハビリ過程の中、再び7人制代表へと誘ってくれた岩渕HCの熱意にほだされ、自身の針路を決めた。

 スピード自慢の松井と、スイーパー(司令塔)としてチームを動かす藤田。36日後の本番へ、松井は「望まれた大会ではないかもしれないが、選手はラグビーしかできない。全力で取り組みたい」と言い切った。

《唯一の大学生・石田「年齢は関係ない」》男子では石田吉平(明大)が唯一の現役大学生として選出された。1メートル67、73キロと小柄だが抜群のスピードと敏しょう性を誇り、18年のユース五輪では銅メダル獲得に貢献。「和製コルビ」と例えられる21歳は「年齢は関係ない。持ち味のランとステップでチームを引っ張り、勝利に貢献したい。頑張るでー」と意気込んだ。

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