58回目のライバル対決を制したのはジョコビッチ 決勝進出 ナダルは全仏108戦で3敗目

[ 2021年6月12日 08:42 ]

勝利が決まって両手を上げるジョコビッチ(AP)
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 11日に行われたテニスの全仏オープン男子準決勝で、ノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)とラファエル・ナダル(35=スペイン)の両雄が激突。第3セットだけで1時間33分を擁する激戦となり、2度目の優勝を狙う第1シードのジョコビッチが、大会5連覇のかかっていた第3シードのナダルを3―6、6―3、7―6、6―2で下して決勝に進出した。ジョコビッチの全仏オープンでの決勝進出は2年連続で通算6回目。13日の決勝では4大大会通算19勝目をかけて、第5シードのステファノス・チチパス(22=ギリシャ)と対戦することになった。

 試合時間は4時間11分におよぶ激戦。ジョコビッチは第9シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)と対戦した9日の準々決勝の試合途中では、新型コロナウイルス感染防止を目的とした外出制限の“門限”となる午後11時を前にして観客が退席するまで22分ほど待たされるというハプニングを経験したが、この日は前もって主催者から「当局から許可が出たので最後まで観戦OK」とアナウンスされていたために混乱はなく、集中力が途切れることはなかった。

 第4セットは2ゲームを先取されたものの、そこから6ゲームを連取して“クレーコートの帝王”を撃破。「この試合は自分が永遠に覚えているであろう試合のひとつ。ローラン・ギャロスでの試合としては間違いなく最高の試合だ。テニスの内容と、15年以上にわたってこのコートを支配してきたライバルが相手だったことを考えると、競技人生の中でもベスト3の中に入る」とジョコビッチは勝利が決まると両手を高々とあげて喜びを爆発させた。

 退席の必要がなくなった観客は両者が好プレーを見せるたびに「ノバク、ノバク!」「ラーファ、ラーファ(ナダル)」と叫んで随所でスタンディング・オベーション。新型コロナの感染拡大後、世界のスポーツ界であまり見られなくなっていたスタンドの大歓声と熱狂がこの日は戻り、ジョコビッチは「とても刺激的な雰囲気だった」とグランドスラムらしいムードを堪能していた。

 ジョコビッチとナダルの対戦は通算58回目でジョコビッチの30勝28敗。ただし4大大会では7勝10敗で、全仏に限ると9回目の対決でようやく2勝目となった。4大大会でディフェンディング・チャンピオン(前年覇者)を退けたのは歴代最多の8回目。一方、ナダルは14回目の優勝を狙っていた全仏オープン計108戦では3度目の敗戦で、このうち2敗がジョコビッチ戦(前回は2015年準々決勝、残りの1敗は2009年4回戦のロビン・セーデリング戦)となった。またスポーツ専門局のESPNによれば、ナダルが4大大会の試合で第1セットを取りながら敗れたのは266戦でこれが7回目。全体の2・6%しかない敗戦の中の2敗もジョコビッチに喫したものになった。

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