リオ銀の樋口黎 東京五輪出場逃す「期待に応えられなくて申し訳ない気持ちでいっぱい」

[ 2021年6月12日 15:46 ]

レスリングフリースタイル57キロ級代表決定プレーオフ ( 2021年6月12日    東京・味の素ナショナルトレーニングセンター )

男子フリー57キロ級プレーオフ 樋口黎(手前)に勝利した高橋侑希。東京五輪代表に決まった(日本レスリング協会提供)
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 16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの樋口黎(25=ミキハウス)が17年世界王者の高橋侑希(27=山梨学院大職)に2―4で敗れ、2大会連続の五輪出場を逃した。

 樋口は第2ピリオド途中にリードを奪ったが、終盤にタックルに入ったところを返されて2失点。試合終了のブザーに崩れ落ちた。「僕一人じゃマットに立ててすらいない。いろんな時間を犠牲にして、僕をサポートしてくれたコーチや先生、恩師だったり会社だったり友人たち、本当にいろんな人の犠牲の上で僕がレスリングできてきたので、周りの人の期待に応えられなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです」と声を絞り出した。

 19年全日本選手権で高橋を下して五輪予選大会の出場権を獲得したが、4月のアジア予選でまさかの計量失格に。学生時代から減量には苦戦していたが、57キロの階級は「世界の選手を見ても僕は体が大きい方で、57って数字が僕にとってはギリギリの極限の体重のライン」だったという。トレーナーや栄養士にアドバイスを受けながら知識を身に付けて自らを律してきたが、50グラムが落ち切らなかった。世界最終予選の出場権は高橋に譲ることになり、出場枠獲得後の直接対決となったプレーオフで敗戦。「僕の何が一歩及ばなかったのか分からないですけど、自分の攻めるレスリングができたんじゃないかなと思う。言い訳せずに自分のベストの状態を持ってこようと全力で努力してここまでやってきた。本当にいろんな人に感謝を、ずっと死ぬまで忘れずに持ち続けたいです」と話し、今後については「気持ちの整理をつけながら考えていきたい」とした。

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