緊急事態宣言下でも東京五輪強行へ、IOC不退転の決意でさらなる逆風必至

[ 2021年5月21日 21:31 ]

<IOC・東京2020合同記者会見>合同記者会見で記者の質問に答える東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(中央)。後方モニター上はIOCのジョン・コーツ副会長(代表撮影)
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 国際オリンピック委員会(IOC)が、今夏の東京五輪開催へ不退転の決意を示した。

 東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会と大会組織委員会などによる合同会議は3日間の日程を終え、21日にIOC副会長のジョン・コーツ調整委員長、組織委の橋本聖子会長らが会見を行った。

 五輪期間中、東京に緊急事態宣言が発令中でも開催するのかと問われると、コーツ副会長は緊急事態宣言下で5競技のテスト大会が行われたことを例に挙げ、「質問に対する答えはイエス」と話した。

 緊急事態宣言下では不要不急の外出は自粛となり、さまざまな業界が経済的に大きなダメージを受けている。今回の宣言も当初は5月11日を期限としていたが、今月末までとなり、さらなる延長の可能性も浮上。共同通信が5月中旬に行った世論調査では、今夏の五輪・パラリンピックについて「中止するべきだ」が59・7%に上っている。この状況でのIOC幹部の「五輪ファースト」発言は、さらなる反発を招くことは間違いない。

 コーツ副会長はテスト大会が開催されたことを材料としているが、この日明かされた試算では選手団の他に関係者5万9000人が来日予定(パラリンピックは関係者1万9000人が来日予定)で、テスト大会と本番では規模がまったく違う。

 米ワシントンポストで“ぼったくり男爵”と揶揄されたトーマス・バッハ会長を含め、IOCや組織委員会が発信するたびに夢舞台への機運が下がる中、開幕へのカウントダウンが進んでいく。

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2021年5月21日のニュース