内藤雄士の90切りゴルフ【第7回 アイアンショットを成功させる方法】

[ 2021年5月21日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(左)と野田すみれ
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 第7回はアイアンショットを成功させる方法を紹介します。ドライバーショットでいい当たりをした後に、アイアンショットをミスした経験はありませんか?内藤コーチは、ドライバーショットと同じ打ち方では、アイアンショットを失敗してしまうのも当然だと指摘します。理由はクラブの特性が異なること。まずはアドレスを変えて、アイアンショットの成功率を高めましょう。野田すみれさんがアシスタント役を務めます。

 内藤 ドライバーショットが得意な野田さんですが、アイアンショットはどうですか?

 野田 ジュニア時代は得意でしたが、いつの間にか苦手になりました(笑)。クラブフェースの下方に当たってトップが出たり、フェース面が開いてスライス系のボールが出たりします。

 内藤 ミスの原因がドライバーショットにあると言ったら驚きますよね?と言うのも、1Wとアイアンではヘッドの形状が大きく異なります。1Wはアイアンよりも重心距離が長く、重心深度も深いのが特徴です。さらにティーアップしたボールを打つので、スイングの最下点を過ぎてからボールを捉えると、ボールが上がりやすく、真っ直ぐ飛んでいきます。つまり、アッパーブローが適したクラブなんです。ところが、アイアンはティーアップしないし、ヘッドの重心深度が深くないため、ダウンブローで打つのが適しています。

 野田 ということは、アイアンでミスが出るのは、アッパーブローに打っているのが原因だと?

 内藤 正解です。アッパーブローに打つからフェースの下方にボールが当たるし、開いた状態でインパクトを迎えてしまいます。それを嫌がって、無理にフェースを返すと引っかけが出ます。

 野田 確かに最近はアイアンで打ってもターフが取れませんし、ダウンブローには打っていないと思います。

 内藤 原因はアドレスです。ドライバーショットではスタンスを広めにして、右足に体重を多く乗せて構えますが、その結果、右肩が下がります。アイアンでも同じ構えになっているはずです。

 野田 でも、アドレスでは左手よりも右手が下にくるので、右肩が下がるのが自然では?

 内藤 度合いによります。体重が右足に多く乗っていると、どうしても右肩が下り過ぎてしまいます。まずは、スタンスを狭め、左右均等に体重を配分すること。それだけで肩のラインが水平に近くなるはずです。あとは、右手のグリップに注目して下さい。親指と人差し指でできるⅤ字が右肩と首の間を指すようにすると、肩のラインがより水平に近くなります。逆に、Ⅴ字が右肩よりも右を指すと右肩が大きく下がるので気をつけましょう。

 野田 今まではボールの右横を見る感じでしたけど、今はボールを真上から見る感じになります。これだとダウンブローで打てるような気がしますね。

 内藤 90切りを目指すアベレージゴルファーは、練習場で1Wを打つ球数が多い傾向にあります。その結果、1Wと同じアドレスでアイアンを打ってしまいがちです。アッパーブローにボールを打つので、トップやスライスのミスが多くなります。やはり、アドレスを変えることで、ミート率がアップするので、ぜひ試してみましょう。

 (取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)

 
 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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