【玉ノ井親方 視点】大栄翔の千秋楽は気持ちとの闘い 正代は攻める時に上体が浮く

[ 2021年1月23日 20:24 ]

 大相撲初場所14日目 ( 2021年1月23日    両国国技館 )

押し出しで竜電(左)を破る大栄翔(撮影・西海健太郎)
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 ○大栄翔(はたき込み)玉鷲●

 ○照ノ富士(はたき込み)正代●

 平幕の大栄翔が、正代に1つ差をつけて、千秋楽を迎える凄い展開になった。

 大栄翔は玉鷲を土俵際まで押し込んでから引くような感じで、本人としては、ちょっと危なかったと思ったかもしれない。でも、攻めていた分だけ、引き技が通用した。

 玉鷲は真っ向勝負で前に出るタイプ。小細工してくる力士ではない。だが、押されると今日みたいにズルズルと後退するところがある。ただ、土俵際で突き落としがあるので、大栄翔とすれば、そこを気を付けて勝負にいったのだろう。最後に引きはしたが、今日は立ち合いで押し込んで、前に出たのが勝因だった。

 打ち出し後に千秋楽の取組が決まり、隠岐の海と対戦することになった。負けてもまだ決定戦があるが、そういうことは一切考えず、自分の相撲に集中することだ。立ち合いの当たりと突き。何より足を前に出すことである。ここまできたら、もう気持ちとの闘いしかない。

 大栄翔の相撲を花道で見ていた正代は、自分も負けられないと硬くなったようだ。肝心の場面で攻めきれなかった。下手を取って出ていこうとするが、簡単に照ノ富士に振りほどかれる。相手の懐に入っても、前に出ても残された。勝負を決めるチャンスは2回あったと思うが、そこで押し切れなかった。攻めるときに上体が浮くため、力が相手に十分に伝わらない。逆に投げを打たれると、簡単にそれに乗ってしまう。もっと腰を下ろして、前傾姿勢の角度をつけて取るようにしないと、照ノ富士のような実力者には通用しない。その辺りが今後の課題だろう。

 ただ、千秋楽の朝乃山戦に勝てば、大栄翔の本割の結果次第では、逆転優勝の望みも出てくる。そのためにも、朝乃山に絶対に得意の右を差させないようにしないといけない。自分から中に入って、前に出る相撲を心懸ければ、勝機も見えてくるはずだ。(元大関・栃東)

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