高木美帆 女子1500メートル5連覇 “脱力走法”で大会新「イメージに近い滑りができた」

[ 2020年10月26日 05:30 ]

スピードスケート全日本距離別選手権最終日 ( 2020年10月25日    長野市エムウエーブ )

女子1500メートルを“脱力走法”で優勝した高木美帆(撮影・会津 智海)
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 女子1500メートルは世界記録保持者の高木美帆(26=日体大職)が1分54秒81の大会新記録で5連覇を果たした。男子1500メートルは日本記録を持つ一戸誠太郎(24=ANA)が1分46秒33で優勝。女子5000メートルはウイリアムソン・レミ(20=大東大)が7分14秒58、男子1万メートルは蟻戸一永(18=専大)が13分28秒94で制した。

 脚が重くても、高木美のフォームは乱れなかった。700メートル通過は全体3位の54秒14だったが、次の400メートルは29秒49とスピードを維持。最後の1周も31秒18と粘った。自身が17年にマークした大会記録を0秒63更新。前日の1000メートルに続く2冠を達成し「ラスト1周でだいぶ脚にきたけど、その中でスピードのロスを最小限に抑えられた。まずまずイメージに近い滑りができた」と振り返った。

 夏場に膝を故障し、例年に比べて十分な滑り込みはできていない。本来のスピードやパワーが戻らない中で「効率良く、上手に」を意識した。昨年までは「後半は脚が動くがゆえに滑りが乱れることがあった。そこは課題と感じていた」と言う。この日の終盤は、練習不足で下半身が思うように動かなくなったが、力に頼らないシャープな滑りでタイムをまとめた。

 この種目の世界記録保持者。自身の国内最高記録には0秒50及ばなかったものの、万全な調整ができなくてもレースを組み立てる総合力はさすがだ。「いい集中力を保ち、滑り方に気付きがあった。次につながる発見があり充実した大会になった」。夏場のアクシデントをものともせず、北京五輪プレシーズンの初戦で貫禄を示した。

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