大坂なおみ 本命浮上 圧勝2回戦突破&第1シード敗退でVオッズ“単独1番人気”に

[ 2020年9月4日 05:30 ]

テニス全米オープン第3日 ( 2020年9月2日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

全米オープン2回戦でジョルジを破った大坂(AP)
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 女子シングルス2回戦で、世界ランキング9位の第4シード、大坂なおみ(22=日清食品)が、同74位のカミラ・ジョルジ(28=イタリア)に6―1、6―2で快勝した。5年連続の2回戦突破で、3回戦では同137位のマルタ・コスチュク(18=ウクライナ)と対戦する。英ブックメーカーの優勝予想オッズで単独トップとなり、優勝の本命に浮上した。

 プレー中の厳しい顔つきから一転、大坂が照れ笑いを浮かべた。試合時間70分の快勝後に待っていたのは運営側のサプライズ演出。大画面にフロリダ州からリモートでつないだ母・環さんが映し出されると「何してるの?」と目を丸くし、日本語で「ちょっと恥ずかしい」と続けた。2年ぶりの優勝に加え、人種差別への抗議という使命を自らに課す今大会。張り詰めた緊張が緩んだ瞬間だった。

 パワーヒッターを力でねじ伏せた。最速190キロの強烈なサーブを軸に、失ったのは3ゲームだけ。相手の第1サーブに対するリターンからの得点率は48%を誇り、逆にジョルジを21%に封じた。前哨戦で痛めた左太腿には1回戦ではなかったテーピングが施されたが、不安を一蹴。一度もブレークを許さず「速いリターンを打ってくる相手にはサーブで攻めることが重要。ツアー再開後、一番いいプレーができた」と胸を張った。

 入場時には「エリジャ・マクレーン」と記された黒いマスクを着用。昨年8月にコロラド州で警察官による取り調べ後に死亡した黒人男性の名前だった。「彼の名前を表現することができ、特別な日になった。人種差別は米国に限ったことではなく世界中の問題。人々に気づいてほしい」。今大会は黒人被害者の名前の入った7種類のマスクを用意。決勝まで進み全て披露することを目標に掲げている。

 追い風もある。第1シードのKa・プリスコバ(チェコ)がこの日の2回戦で敗退。英ウィリアムヒルの優勝予想オッズで、大坂は単独トップの5・5倍となった。優勝の本命となったが「優勝したいと考えるのは、やめた。自分で大きな重圧を背負うことになってしまうから。勝つためにいい状態に持っていくだけ」と気負いはない。母とのやりとりで緩めた表情を再び引き締め、無観客のセンターコートを後にした。

 ▽エリジャ・マクレーンさん 19年8月24日に米コロラド州オーロラで、コンビニで買い物をして徒歩で帰宅中に目出し帽をかぶっていたことから不審者とみなされて警察官に拘束された。パニックに陥り抵抗すると、首を締めつけられて精神安定剤を注射された。その場で意識を失い、心肺停止状態となり数日後に病院で死亡した。当時23歳。菜食主義の平和主義者で、自閉症スペクトラムの傾向があった。

 《セリーナより上》今大会は1位のバーティ(オーストラリア)や2位のハレプ(ルーマニア)ら世界ランク上位10人のうち6人が欠場。その中でウィリアムヒル社が開幕前の8月28日に発表した大坂の優勝オッズは6倍で、S・ウィリアムズと最高評価を分け合っていた。第1シードのKa・プリスコバが姿を消した2日のオッズでは5・5倍となり、6・5倍のS・ウィリアムズを突き放して単独の1番人気。今年の全豪オープンを制した第2シードのケニン(米国)は19倍の7番人気にとどまっている。

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