藤田寛之のLet’s Begin【第10回 ドライバー編(1)】

[ 2020年9月4日 12:00 ]

ティーショットについての解説を行う藤田寛之プロ
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 今回のテーマはドライバーショットです。いよいよコースに出ることになったミス日本ミススポーツの田中絵梨果さん。藤田寛之プロから早速、指導をうけました。ただその前に、やっておかなければならないことがありました。藤田プロはナイスショットをするためには、実際に打つ前の素振りが重要な役割を果たすと言います。どのような素振りが効果的なのでしょうか。進行役はティーチングプロのジミー常住氏です。

 常住 それでは、いよいよ田中さんにティーオフしてもらいましょう。ティーアップをお願いします。

 田中 ティーアップって何でしょうか?

 藤田 このティーの上にボールを乗せることを言います。念のために説明しておきますが、ティーマークとティーマークの間にティを刺して下さい。

 田中 この辺ですね。

 藤田 私の説明がよくなかったようですね。ティーマークとティーマークを結んだ線よりも後方でお願いします。ちなみに、縦の範囲は2クラブレングスです。1W2本分までの範囲ならOKという意味です。その範囲内で最も平らなところを選ぶか、自分が立ちやすい場所を選んで下さい。

 田中 ティーアップの高さはどれぐらいがいいんでしょうか?

 藤田 いい質問ですね。基本的には、1Wのクラブヘッドをポンと地面の上に置いた時、ヘッドの上からボールが半分ぐらい出る高さがいいでしょう。ただし、これには個人差があります。極端に高かったり、低くなければ、自分の好みに応じて調整して構いません。

 田中 私の場合、練習場で打つと、ボールの上半分を叩くことが多いんです。ボールの位置が低いと、どうしてもボールの頭を叩く気がするので、少し高めにしてもいいですか?

 藤田 構いませんよ。大切なのは、アドレスしたときに違和感を覚えないことです。これなら上手く打てそうだと感じる高さにしましょう。あとは、ティーアップした後に素振りをしておくといいですね。ちなみに、なぜ素振りをするのか分かりますか?

 田中 スイングの最終確認だと思います。スポーツではいきなり行動するよりも、頭の中でイメージしてから行動したほうが好結果を得られます。ゴルフでも打つ前に素振りをすることで、どのようにクラブを操作すればいいのかを確認し、いいイメージを頭に植え付けてから本番に挑むことが重要ではないでしょうか。

 藤田 さすがミススポーツですね。百点満点の答えです。あとは、同伴プレーヤーにクラブが当たらないように気をつけ、スロープレーにならないように回数に気をつけて下さい。 

 ――宣言どおり素振りを行なった後に打ったボールは右前方の林へ。

 藤田 残念な結果になりましたが、素振りに関して1つアドバイスがあります。田中さんはボールにヘッドを当てることだけを考えていたので、アドレスからインパクトまでしかクラブを振っていませんでした。ゴルフの場合、あくまでもインパクトは通過点であり、アドレスからフィニッシュまで振り切ることが大切です。したがって、素振りでもフィニッシュまで振り切るように心がけるといいでしょう。フィニッシュで止まっている自分をイメージして下さい。

 <ミス日本ミススポーツ今週の一言>
 「インパクト後のことは全然考えていませんでした。次回からはフィニッシュまで振り切ります」

(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)

 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
 
 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

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