メンバー外の選手に気遣い…「ONE TEAM」支える兄貴分・堀江 妻が明かした小学生時代のエピソード

[ 2019年10月17日 21:45 ]

北出(右)と談笑する堀江(撮影・吉田 剛)
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 「最初にメンバーを外れた時は、どうしても落ち込みます。毎週、入りたいと思って待っているので、それはとても落ち込んで。その日(チーム内発表)の練習は負荷は少ないが、結構初日はへこんで、気分が上がらないことが多いです」

 偽らざる本音だろう。1次リーグ4試合を終えて、日本代表は31人のスコッド中、5人の選手が出場機会に恵まれていない。声の主のフランカー徳永をはじめ、プロップ木津、フッカー北出、SH茂野、WTBモエアキオラの5人だ。南アフリカとの準々決勝を含め、残りは最大3試合。準決勝、決勝も厳しい相手になる。出たい、との思いをかなえるのはより厳しくなることは、誰よりも本人たちが自覚しているに違いない。

 それでも彼らは必要不可欠だからこそ、そこにいる。フロントローの2人は対戦相手のスクラムを、徳永はラインアウトを、バックスの2人は相手のバックスを徹底分析し、練習で仮想の相手を務める。再現性が高ければ高いほど、練習成果は試合で生きる。4連勝。悔しさを胸にしまい込み、チームのために下働きする彼らのサポートがあるからこそ、出場している選手もメディアの前でも感謝の言葉を惜しまない。

 徳永が具体名を挙げたのが堀江と稲垣。「15年(W杯)を経験したメンバーがお茶とか外食に誘ってくれる。(逆に)気を使わせているみたいな感じになるが、僕らのメンタルリフレッシュになっている」。支えながら、支えられている。このチームに好循環が生まれているさまが、徳永の発言からははっきり見て取れた。

 立川理道とともに、ジェイミージャパンの初代主将を務めた堀江だが、現在は総勢10人で形成されるリーダーグループにも所属しておらず、立場としては“フリー”だ。ただ、肩書きがないだけで、兄貴分然とした落ち着きを払うベテランフッカーを頼る選手は多い。リーチ主将を中心とするリーダーグループがチームを先頭で引っ張っているとしたら、堀江は31人のしんがりのイメージか。気づいたことがあれば、そっと助言を送る。言い過ぎれば、リーダーたちの面目を潰す。そのバランスの絶妙さは、各世代で主将を経験してきたからこそだろう。

 堀江の妻・友加里さん(34)は以前、こんな話をしてくれた。友加里さんが帰国子女として小2で堀江が通っていた大阪府吹田市の小学校に転校した際のこと。クラス内は「あの子、日本語を話せるのかな?」と見定めるような空気感があったという。そんな中で、声を掛けたのが堀江。「女の子も声を掛けてくれたと思うんですけど、印象的には翔太さんが強かった。自然に“同じ方向だから、一緒に帰ろう”と話しかけてくれた。そんなに近くはなかったんですけどね」。

 4年前の南アフリカ戦。強く印象に残っている場面がある。WTBヘスケスの逆転トライ後、われを忘れて喜び合う選手をよそに、FB五郎丸だけは最後のコンバージョンを残していた。ボールは左に逸れ、そこで正式に試合終了のホイッスル。1人、歓喜の輪から取り残された五郎丸に、最初に歩み寄ったのが堀江だった。気づきの人。気遣いの人。行動に移せる人。その全てが当てはまる。「ONE TEAM」に欠かせぬ人である。(阿部 令)

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