リーチ主将、10・5サモア戦で先発復帰濃厚 悲願の初8強へ“隙なし”「残り2つ負けたら意味がない」

[ 2019年9月30日 05:30 ]

ラグビーW杯2019

28日のアイルランド戦、相手を引きずりながら突進するリーチ(撮影・吉田 剛)
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 ラグビー日本代表はアイルランド戦勝利から一夜明けた29日、1次リーグA組第3戦のサモア戦(10月5日、豊田ス)までの合宿地となる東京へ移動した。午前中には浜松市内の宿舎ホテルで取材対応。アイルランド戦では控えだったフランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)は先発復帰の可能性が急浮上した。決勝トーナメント進出へ向け、4トライ以上のボーナス点を含む勝ち点5での3勝目を目指す。

 前日に肋軟骨を痛めて負傷交代したNo・8アマナキ・レレイ・マフィについて、会見した藤井雄一郎強化委員長(50)は「試合に出ようと思えば1週間でいける。ドクターの判断では1週間程度で治る」と説明。すでに2勝し、準々決勝進出を決めた場合のことを考えればサモア戦は無理させる必要はなく、リーチが開幕戦以来、2戦ぶりに先発する可能性が高まった。

 アイルランド戦終了後、「30分だけ喜ぶ」と話していたリーチも会見に登場。「勝利は良かったが、サモアにどう勝つか準備をしている」と強調した。1次リーグ最難関を突破したことで、目標の8強入りへ大きく前進したが「まだ喜べるレベルではない。2つ負けたら意味がない」とわずかな心の隙も見せない姿勢を徹底した。

 前回大会では現行方式で1次リーグが行われるようになった03年大会以降で、史上初めて3勝を挙げながら準々決勝に進めなかった。8強入りへの扉が閉ざされた理由は、4トライ以上、もしくは7点差以内の敗戦で得られるボーナス点1を一度も獲得できなかったこと。3勝1敗で並んだ南アフリカは勝ち点16、スコットランドは14で、日本は12。明暗をくっきりと分けた。

 サモアとは前回大会でも1次リーグ3戦目に対戦。スコアは26―5と圧倒も、トライは2つにとどまった。後半に負傷者が続出してFW第3列のツイがウイングの位置に入るなどの不測の事態に見舞われ、リーチは主将としてペナルティーでショット選択を徹底。この試合でボーナス点を獲得していれば、最終の米国戦まで8強進出の可能性を残したことになるだけに、4年後の今回は進化した決定力を証明する場にもなる。

 開幕戦でのパフォーマンス不足を理由にアイルランド戦の先発を外れたが、出場50分間でタックル11回を記録し、全て成功。何より闘志あふれるプレーは、味方選手を勇気づけた。たとえマフィが無事でも、もう先発を外れる理由は見当たらない。個人としても完全復活した主将は「日本代表の強みは、戦い方に柔軟性があること」とあらゆる手段でトライを取りきる自信を示した。

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