サニブラウン、スタートの悪夢 追い上げ5着も「音が聞こえなくて」

[ 2019年9月30日 05:30 ]

陸上世界選手権 第2日 ( 2019年9月28日    ドーハ・ハリファ国際競技場 )

決勝進出を逃したサニブラウン(撮影・小海途 良幹)
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 9秒台の侍トリオが、世界の壁に阻まれた。男子100メートル準決勝で日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(20=米フロリダ大)はスタートで大きく出遅れ、10秒15で1組5位。日本選手として世界選手権初、五輪を合わせた世界大会では87年ぶりの決勝進出はならなかった。前日本記録保持者の桐生祥秀(23=日本生命)は10秒16で3組6位、小池祐貴(24=住友電工)は10秒28で2組7位でいずれも敗退した。

 男子100メートルで優勝を宣言していた日本のエースにとって、ファイナリストへの挑戦は思わぬ形で幕を下ろした。スタートラインで並んだ7人は号砲と同時にスタートしたが、サニブラウンだけ1テンポ出遅れ。「(スタートの)音が聞こえなくて。自分が集中しきれなかったのか…。正直、よく分かんないっす」とさばさばした表情で話した。

 リアクションタイムは0秒206で同組で最下位。全体を見ても3番目の反応速度の遅さだった。それでも改善しているという中盤の加速力で5着となり、着順で突破できる2着とは0秒03差まで詰めた。「何を言っても言い訳にしかならない。スタートの差がもったいなかったですね」と頭をかいた。

 10月5日(日本時間6日)には400メートルリレー予選が始まる。前回の17年ロンドン大会では100メートル、200メートルに出場したため満身創痍(そうい)でリレーメンバーからは外れたが、今回200メートルをパスしたためバトン練習や休息に時間を費やすことができる。

 「期待度も上がっているが、プレッシャーに負けずにしっかり金メダルを獲って帰りたい」。日本選手3人はいずれも準決勝の壁に阻まれたが、個人の敗戦はチームで挽回する。

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