朝乃山 連覇へ好発進!大関・豪栄道から“盤石1勝”次は白鵬撃破だ

[ 2019年7月8日 05:30 ]

大相撲名古屋場所初日 ( 2019年7月7日    ドルフィンズアリーナ )

<名古屋場所初日>豪栄道(左)を寄り切る朝乃山(撮影・亀井 直樹)
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 夏場所で平幕優勝した前頭筆頭・朝乃山(25=高砂部屋)が2場所連続で大関・豪栄道(33=境川部屋)を寄り切りで破り、初の上位総当たりの場所を好発進した。白鵬(34=宮城野部屋)と鶴竜(33=井筒部屋)の両横綱はともに新小結の挑戦を退け、白星スタートを切った。

 無心が勝利をたぐり寄せた。朝乃山は立ち合いで豪栄道に得意の右を差されたが、受け身にならない。起こして左上手を引いて反撃に出た。回り込もうとする大関を外掛け気味に崩して寄り切った。

 「下がって負けるより前に出て負ける方がこれからの相撲人生につながる。負けるなら前に出て負けたい」

 その思いは立ち合いで仕切り線に迷いなく先についた両手に表れていた。平成以降の記録では平幕優勝力士は翌場所初日に3勝6敗と苦戦してきた。急上昇した番付、足りない稽古時間、高まる注目度による精神的重圧…。朝乃山は加えて富山県出身の準ご当所力士。間違いなく今場所の注目力士だが取組後は「注目の一番だったんですか?(注目に)離れてくれ~」と笑う余裕もあった。

 「メンタルは弱いです」。自らそう告白する。だからこそ「稽古をやって自信に変えようとする自分がいる。先場所からそうしてます」。今月1日には道場破りのように横綱・白鵬の宮城野部屋へ単身出稽古した。2勝9敗と力量差を思い知らされた。それだけでなく見舞われた張り手で脳振とうを起こし、三番稽古は中止された。2日目はその屈辱の“KO”を喫した横綱・白鵬に挑戦する。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「馬力がある。馬力は防ぎようがない。こういう相撲を取ると上位陣は本物と思うかもしれない。四つ相撲は通用するのに時間がかかるけれど力がついてきたら可能性がある」と高評価した。夏場所優勝はフロックではない。確実に周囲からの視線を変えつつある。

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