張本 過去全敗の難敵撃破で3回戦突破!日本男子40年ぶりメダルへ前進

[ 2019年4月25日 05:00 ]

卓球 世界選手権個人戦第4日 ( 2019年4月24日    ハンガリー・ブダペスト )

得点に吠える張本(撮影・吉田 剛)
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 男子シングルス3回戦が行われ、世界ランキング4位の張本智和(15=木下グループ)が過去2戦2敗のマルコス・フレイタス(31=ポルトガル)にストレート勝ちした。前回2017年に大会最年少で8強入りをしたホープが、日本男子40年ぶりのメダルを狙う。

 張本のエンジンがかかってきた。難敵のフレイタスに完勝。ラストポイントは得意のチキータ(バックハンドの攻撃的レシーブ)だった。第1ゲームの9―8、第3ゲームの8―6でも、威力ある武器で得点した。

 「勝つのは難しいと思っていたけど、ストレートで勝てて、ビックリしています」

 右手薬指のけんしょう炎の影響で「落ち込む時間が長かった」と、思うように練習が積めなかった。3回戦の快勝を見る限り、気持ちも状態も上向きだ。

 ラケットを握れば神童でも、コートを離れれば15歳。前日23日は、木造と組むダブルスで着るズボンの色を間違えた。試合後の宿舎ではオンラインゲームで気分転換。10代らしいあどけなさがある。ただし、画面を見つめる理由は、一流の勝負師の哲学がある。

 「現実は負けられないけど、ゲームは負けていい。そこに負けを求めている」

 幼少時は悔し泣きばかりしていた。95年世界選手権の中国代表の母・凌さんは「4歳から小2まで、練習で大泣き。私はコーチだし、恥ずかしかった」。それならやめなさいと諭すと、しゃくり上げながら「もう泣かないから卓球をさせてほしい」と訴えたという。しかし次の日も同じ展開。全国的な実績が伴うまで続いたそうだ。

 生来の負けず嫌いは今、現実では得られない“負ける快感”で心をリフレッシュさせ、勝負の世界を生きる。

 79年に優勝した小野誠治以来となる男子単40年ぶりのメダルに期待がかかる。「1番の目標は世界チャンピオンだけど、まずはメダルを取ること」。最初の難関を突破。前回の大会最年少8強に続き、再び歴史を動かす。

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2019年4月25日のニュース