森薗政崇 3種目挑戦に幕「死ぬ気でやってきたからこそ悔しい」

[ 2019年4月25日 07:16 ]

卓球・世界選手権個人戦第4日 ( 2019年4月24日    ハンガリー・ブダベスト )

<世界卓球・男子シングルス3回戦>懸命にボールを拾う森薗(撮影・吉田 剛)
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 男子シングルス3回戦で森薗政崇(24=岡山)が姿を消した。世界ランキング5位のティモ・ボル(38=ドイツ)とのサウスポー対決。得意とするチキータ(バックハンドの攻撃的レシーブ)や、強打が簡単に決まらない。レシーブに優れたベテランの牙城を崩せなかった。

 今大会は3種目に出場した。未知なる戦いに向けて、頭の中に、体力面の不安があった。それが知らず知らずのうちに、言葉になって表れた。直前のドイツ合宿中に、それを指摘された。

 「日本にいるメンタルトレーナーに電話をした時に、世界選手権の壮行会の発言を思い返してと言われたんです。3種目出ることについて、ネガティブな発言をしていたと言われました。なんでそんなことを言ったんだろう。無意識のうちに言っていました。実際は楽しみなのに」

 もともと「ネガティブでプレッシャーを自分にかけるタイプ」。それを脱却するために、15年大会の前から、メンタルトレーナーの鈴木颯人さんに教えを受けている。「この数年、成績が向上したのは、トレーナーのおかげ」。2・74メートルの台を挟んだ攻防は、心理戦の要素を大きく含んでいる。心を一定に保つことで、世界やTリーグで活躍を続けてきた。

 前日にダブルス2回戦で散り、この日はシングルスに続いて、混合ダブルスの準々決勝でも敗れた。全ての戦いが終わった。

 「この大会に向けて死ぬ気でやってきたからこそ悔しい」

 涙目で無念を口にした。だが、メンタルトレーナーの助言もあって、3種目に前向きに挑戦できた“心の収穫”は大きい。自分を追い込み、見つめ直した戦いは、必ず次へのステップになる。

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2019年4月25日のニュース