詩V2 東京五輪へ自然体で進む一本道 世界選手権内定1号

[ 2018年11月24日 05:30 ]

柔道グランドスラム大阪大会第1日 ( 2018年11月23日    丸善インテックアリーナ大阪 )

女子52キロ級決勝で、3連敗中の角田(上)を果敢に攻める阿部詩(撮影・成瀬 徹)
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 女子52キロ級は阿部詩(うた、18=夙川学院高)が2連覇し、東京で行われる来夏の世界選手権代表の内定第1号となった。男子66キロ級の兄・一二三(21=日体大)は決勝で延長の末、丸山城志郎(25=ミキハウス)に敗れた。男子60キロ級は永山竜樹(22=東海大)、女子48キロ級は渡名喜風南(23=パーク24)が制し、初日の4階級全て日本勢が優勝した。

 東京五輪がはっきりと見えた。阿部詩が「世界選手権より難しい」と評した国内ライバルが集った大会で、強さを見せた。「ビックリするくらい緊張しなかった。世界選手権という舞台を経験したので、それでかな」

 自然体は、準決勝の志々目戦から表れていた。9月の世界選手権決勝で戦った際は延長戦までもつれ込んだが、今回は、わずか23秒で一本勝ち。「タイミングが合った」という内股透かしで退けた。

 決勝の角田には、過去3戦3敗。天敵に勝つために、柔道へ取り組む姿勢から改めた。「見るのが嫌い」だった負け試合の映像を、この大会に向けて何度も見直した。「ガムシャラに前に出ていた」というスタイルをやめ、「相手をよく見て、攻めるところは攻めて守るところは守った」とメリハリを付けた。延長戦になり相手の指導3で反則勝ち。冷静な試合運びに「勝つ柔道を徹底した」と胸を張った。

 世界選手権に続く優勝で条件を満たし、来夏、東京五輪のプレ大会として日本武道館で開かれる世界選手権代表に内定した。阿部、志々目、角田の三すくみで混沌(こんとん)としていた女子52キロ級は、成長著しい18歳が一歩抜け出した。

 兄・一二三が決勝で敗れ、兄妹制覇はならなかった。寂しさを見せつつ、個人としては最高の形で今季を締めくくったことに喜ぶ。「世界選手権にも出て、一番濃い一年だったと思う」。右肩上がりの成長は、まだまだ続く。

 ▼柔道の東京五輪代表決定方法 世界選手権やグランドスラム(GS)大会などの国際大会、春の全日本選抜体重別選手権など国内大会の結果を、全日本柔道連盟が独自に定める計算方式に当てはめてポイントを算出。このランキングポイントを重要参考資料とし、20年4月の選抜体重別選手権後の強化委員会で決定する。18、19年の世界選手権については、同一年の世界選手権と日本でのGS大会(今年は大阪)の優勝で翌年の世界選手権代表が内定する制度を導入。20年の導入は決まっていないが、来年の世界選手権Vなら五輪代表に大きく近づく。

 ▼井上康生・男子日本代表監督 永山と丸山は非常に意地を見せてくれた。阿部は手首、高藤は膝を痛めて、世界選手権と比較してもしっかりと準備できなかった。王者はその中でも勝たないといけないが、技術面に影響が出ていた。

 ▼増地克之・女子日本代表監督 世界選手権代表の2人が力通りの結果を残した。決勝の阿部は慎重で、彼女らしくなかったが、さらに力をつけた印象だ。渡名喜は絶好調ではない中でも落ち着いた試合運びだった。

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