2位浮上の香妻 絶好の位置で最終日へ「運の強さも感じてます」

[ 2018年11月24日 23:36 ]

男子ゴルフ カシオ・ワールドオープン第3日 ( 2018年11月24日    高知県芸西村 Kochi黒潮カントリークラブ 7335ヤード、パー72 )

 )首位に4打差の14位からスタートした香妻陣一朗(24=フリー)が7バーディー、2ボギーの67をマークし、首位に2打差の通算8アンダー、2位に浮上した。賞金ランク73位からの逆転シード入りだけでなく、今年9月のマンシングウェアレディース東海クラシックで悲願のツアー初優勝を果たした姉・琴乃(26=サマンサタバサ)に続く日本ツアー史上3組目の兄妹・姉弟同一年優勝達成を狙える絶好の位置で最終日を迎える。アクロバティックな打法で人気の崔虎星がチェホソン「(45=韓国)が通算10アンダーで首位。今大会の優勝で初の賞金王が決まる今平周吾(26=フリー)は前日の14位から通算5アンダーの18位に順位を下げている。

 攻めの姿勢が表れていた。最終18番の第2打は右の斜面から。ピンまで250ヤード以上の距離を残していたが、3Wでお構いなしのフルスイング。この1打をグリーン右手前まで運んだ香妻は第3打を2メートルに寄せてバーディー。首位とは2打差と優勝に手が届く位置まで自分を押し上げた。

 「せっかくいいところなのにシードのことを考えても…上を目指していかないと」。この日は賞金ランク79位北村晃一、同81位古田幸希と同組。逆転賞金シードへ後がない3人でのラウンドだったが、大胆にも開幕前に「優勝を狙ってます」と宣言した香妻だけがアンダーパーをマークし、最低条件の単独18位を大きく上回るアドバンテージを手にした。

 今年9月のマンシングウェアレディース東海クラシックで悲願のツアー初優勝を果たした2歳上の姉・琴乃とはほとんどゴルフの話はしないという。しかし「やるからには優勝を目指す」と2人の口を突いて出る言葉は同じ。2人の師でもある父・尚樹さんが掲げる「どうせやるなら世界を目指せ」という香妻家の“家訓”の前でシードをうんぬんするのは小事。賞金シード落ちから一転、栄冠を勝ち取った姉同様、そうした気風は陣一朗の中にも息づいている。

 「運の強さも感じてます」。前週ダンロップ・フェニックスの開幕前日、テストで手にした新ドライバー(スリクソンZ785)がやけに手に馴染んだ。不振の主原因だったティーショットの不安を一掃する救世主との突然の出会いだった。「それまでは不安しかない状態でドライバーを打ってました。だから当てにいってたんでしょうね。振り切ることができないから距離も出ないし、悪循環。今は不安はありません。飛距離も20ヤード以上伸びました」。この1年できなかったフルスイングの爽快感も今の香妻に勢いを与えている。

 8月のRIZAP・KBCオーガスタで小さい頃から兄弟のようにして育った出水田大二郎(25=TOSS)がツアー初優勝を果たした。「自分もやんなきゃと思いました」と大きな刺激を受けた。

 86年の中島常幸・恵利華、04年の宮里聖志・藍に続く史上3組目の兄妹・姉弟同一年ツアー制覇へ攻撃ゴルフあるのみだ。

 ◆香妻 陣一朗(こうづま・じんいちろう)94年(平6)7月7日生まれの24歳。鹿児島県鹿屋市出身。父・尚樹さんの影響で姉・琴乃に続いて2歳からゴルフを始める。宮崎・日章学園高3年だった12年に九州アマ優勝し、世界アマに日本代表として松山英樹らと出場。同年11月にプロ転向。16年に初の賞金シード獲得。ベストスコアは18年ダンロップ・スリクソン福島オープン3日目の60。得意クラブはウエッジ。1メートル65、71キロ。



 ▼2位嘉数光倫 よく我慢できたなという感じです。いけるだけいく。どんどん優勝意識しながら回ります。(ツアー初優勝へ首位とは2打差)

 ▼18位市原弘大 あんまり価値にこだわるとボクの場合、逆に雑になるので目の前の1打に集中して。5打差は気にしないように。(首位とは5打差。今季2勝はいずれも最終日に5打差逆転)

 ▼18位今平周吾 アイアンショットがなかなかいいところにつかなくて。パターも決め切れていなかったので悔しいですね。いけるところまでいきます。(今大会での賞金王確定に黄信号)

 ▼44位石川遼 ずっといいパッティングをして入ってなかったので。最後はミスして悔しいですね。(最終18番では2メートル弱のイーグルパットが入らず。下位に低迷)

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