【岡崎真が語る羽生の凄さ】良質になった4回転サルコー 増した貫禄 まとめ方上手に

[ 2018年11月17日 09:36 ]

フィギュアスケートGPシリーズ・ロシア杯第1日 ( 2018年11月16日    モスクワ )

男子SPの演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
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 羽生の演技は素晴らしかった。前回のフィンランド大会では、やや上がり損ねたような感じだった冒頭の4回転サルコーはさらに良質になり、軸が少し傾いていたトリプルアクセルも入り方を変えて、前回よりも高いGOE(出来栄え評価)を獲得した。トーループの連続ジャンプは最初の4回転を降りた時に、少しかかとの方に重心が行ったので一瞬ヒヤリとしたが、そこからしっかり3回転を跳び、着氷の乱れも上手に振り付けにつなげてプラスのGOEを稼いだ。

 前回はターンを一つ失敗して取りこぼしたステップも、今回は丁寧にまとめて文句なしのレベル4。前回を上回る高得点も当然だろう。恐らく今回は本人も満足のいく演技だったのではないか。高いレベルの選手なので、もちろんどんな時でも課題は持っているだろうが、演技点でも10点をつけた審判がいるし、本当に今回の演技は素晴らしかった。

 五輪連覇で区切りがついたことで、何か一つ乗り越えたような印象を受けた。以前にも増して貫禄が出てきたし、いい意味でまとめ方が上手になった。フリーに向けても現時点では不安は見当たらない。どんな高得点が出るのか楽しみだ。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2018年11月17日のニュース