羽生また世界最高!2位に20点超差 異次元SPで首位発進

[ 2018年11月17日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ・ロシア杯第1日 ( 2018年11月16日    モスクワ )

圧巻の演技でSP今季最高得点をたたき出した羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)が行われ、平昌五輪金メダリストの羽生結弦(23=ANA)は110・53点でルール改正後の今季世界最高得点で首位発進した。3つのジャンプを全て成功させ、自身初のシリーズ連勝とファイナルを含む日本人GP10勝目を視界に捉えた。友野一希(20=同大)は82・26点で4位スタート。17日にフリーが行われる。

 絶対王者は、想像の先をいく。自身の世界最高得点106・69点を3・84点上回る110・53点。その表示を見ると、自らを祝福するかのように拍手をして喜びに浸った。「目標は106点。フィンランド大会と同等くらい取れれば満足と思っていた。頑張れたかなと思います」。納得した表情で首を縦に振った。

 冒頭の4回転サルコーに成功。3回転半も完璧に決め、4回転―3回転の連続トーループもこらえて着氷した。今季初めてスピン、ステップを全て最高のレベル4でそろえる完璧な演技だった。2週前のフィンランド大会後に調子を崩したが、追い込みと休養のメリハリを意識するアプローチに変更。密度の濃い練習で仕上げ「この構成では、これが実質マックスじゃないかと思います」と振り返った。

 あふれる感情が、細部にまで宿った。SP曲「秋によせて」は憧れの存在であるジョニー・ウィアー氏のオマージュ。その振り付けを担当したロシアの名伯楽タラソワ・コーチが立って見守っていた。11〜12年のフリー曲「ロミオ&ジュリエット」の振り付けの手直しをしたボブリン夫妻も正面の席で応援。「僕のスケートのルーツをたどるとロシアなので、ここでいい演技がしたい思いが強くあった」。自らのスケーティングに大きな影響を与えた人々へ向け「感情がこもったものになった。指先、表情、一つ一つの音の感じ方を凄く大事にした」

 ロシア杯は4回目の出場となる。シニア1年目となる15歳の10年は7位に終わり、翌11年には優勝の味を知った。昨季は4回転ルッツを初成功させた思い出もある。17日のフリーではファイナル進出だけでなく自身初のGPシリーズ連勝、日本男子初のGP10勝目が懸かる。「まだフリーが奇麗にできていない。ショートとフリーをそろえてナンボ」。思い入れのあるロシアで世界初の超高難度の4回転トーループ―3回転半を完璧に決め、快挙に花を添える。

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2018年11月17日のニュース