貴景勝、全勝で単独首位!小結初日から6連勝は19年ぶり

[ 2018年11月17日 05:30 ]

大相撲九州場所6日目   ○貴景勝―魁聖● ( 2018年11月16日    福岡国際センター )

魁聖(左)に突き落としで勝利する貴景勝(撮影・岡田 丈靖)
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 横綱不在の土俵で、22歳の貴景勝が魁聖との小結対決を制して自身初の単独首位に立った。207キロの巨体に鋭い突き落としを見舞い全勝を守った。小結の初日からの6連勝は、1999年九州場所の土佐ノ海以来19年ぶり。1敗で大関・高安、平幕の栃煌山、千代大龍、阿炎、大栄翔、阿武咲が追う展開となった。

 浮かれる様子は全くない。わずか2秒余りで魁聖を突き落とした貴景勝は、表情ひとつ変えずに勝ち名乗りを聞き、花道を引き揚げた。昨年初場所の新入幕後、初日からの6連勝は初めて。単独トップに立ったが「相撲は6日で終わりじゃない。倍以上ありますから。何も考える必要はない」と平然としていた。

 “もみじまんじゅう”のような真っ赤な手の痕ができそうなほど強烈な一発だった。頭からぶつかって魁聖を食い止め、すぐに右喉輪で起こした。休まず左に回り込み、相手の背後に左を一閃(いっせん)。乾いた音が響いた瞬間207キロの巨体は膝から崩れた。初日に稀勢の里を沈めた時と同じようなKO劇。攻め抜いての結果に「積極的にいけた」と自賛した。

 春場所で初めて休場を経験し、「取り残されている感覚があった」という。旧貴乃花部屋から移籍してきた貴景勝を先月末から見守る師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)は「外出しないで、部屋で食事をして体を休めている」と評価するほど私生活から気を配る。それがケガをしない体づくりと場所での「集中」につながっていると師匠は分析する。

 先場所も中盤から6連勝し、これで12連勝。秋場所を制した横綱・白鵬から「大相撲を引っ張っていくのは間違いない力士」と認められる存在。巨体にも負けない「圧力」を八角理事長(元横綱・北勝海)は「努力の証」と評価する。そして、武器は精神力。「メンチ切るのもいらない。気持ちで負けなければいい」。迷いなき22歳に死角は見当たらない。

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2018年11月17日のニュース