騒動あっても初場所チケット完売、懸賞も最多…相撲人気、恐るべし

[ 2018年1月14日 10:40 ]

初場所の土俵祭りの前に緊張した面持ちの(左から)稀勢の里、白鵬、鶴竜
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 大相撲初場所が14日に初日を迎えた。通常、初場所は7日から13日の間に幕を開ける。今年は1週間遅くなったことで、平成では最も遅い初日となった。力士にとっては冬巡業を終えた後の日程がタイトではなくなったため、余裕を持って調整できたのではないか。結果的に、出場が微妙な状況とみられていた稀勢の里、鶴竜とも初日から土俵に上がることになった。

 力士のスケジュールに余裕ができれば、記者のスケジュールも緩やかになるはずだが、今回は違った。昨年の九州場所中に発覚した日馬富士の傷害事件により、九州場所が終わっても慌ただしく動き回らざるを得なかった。初場所まで10日を切ったところで、今度は式守伊之助のセクハラ行為が発覚。年末年始を感じることなく、初日を迎えた印象だ。

 角界を揺るがした不祥事の連続。相撲人気は下火になるかと思いきや、そうでもないようだ。初場所の前売りチケットは、傷害事件が発覚した後の発売にもかかわらず即日完売となった。もちろん、力士の頑張りがあってこそだが、“相撲人気、恐るべし”である。

 幕内の懸賞も、減るどころか増えている。初日2日前の12日時点で、懸賞の申し込み総数は2239件。昨年初場所の申し込み総数は約1900件だけに、約18%増えた計算だ。稀勢の里の横綱昇進後初めての東京場所となった昨年夏場所は、最終的な全体の懸賞が2153本となり、史上最多を更新した。この時の申し込み総数は2219本。今場所はそれを上回った。善きにつけあしきにつけ注目を浴びるということは、宣伝する側にとっては“好条件”。今場所の懸賞の申し込みは昨年9月から始まっているが、相撲協会関係者によると不祥事を理由に取り下げたところはないという。

 懸賞の年間の本数は、昨年初めて1万本を超え、1万642本となった。力士で最も多くの懸賞を獲得したのは、年間最多勝(56勝)の白鵬で1301本だった。だが、白鵬は春場所の途中休場と秋場所の全休があったため、最近では八百長問題により春場所が中止となった11年(1191本、5月の技量審査場所は懸賞がかけられず)に次ぐ少ない獲得本数だった。

 ちなみに、昨年の白鵬は1勝あたりの懸賞獲得本数が、56勝/1301本で23・2本。稀勢の里は不戦勝を除く38勝で1105本を獲得しており、1勝あたり29・1本。これは全力士で最も高い数字だった。まだまだ相撲人気が続いている中、最も多く懸賞を獲得するのは誰なのか。昨年11月から土俵外の騒動に振り回されてきた記者だが、そういうところにも注目していきたい。(佐藤 博之)

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2018年1月14日のニュース