サントリー連覇 リーグ戦1敗の雪辱!指揮官「ベストゲーム」

[ 2018年1月14日 05:30 ]

ラグビー日本選手権兼トップリーグ(TL)総合順位決定トーナメント第2節・決勝   サントリー12―8パナソニック ( 2018年1月13日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<サントリー・パナソニック>試合終了と同時に大喜びのサントリーフィフティーン
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 決勝はサントリーが12―8でパナソニックを破り、2冠を制した昨季に続き2連覇を達成した。「STAY HUNGRY」をスローガンに掲げた今季は、昨年10月21日のリーグ戦でパナソニックに10―21で敗戦。実力伯仲の中でCTB中村亮土(26)らが前半に2トライを挙げ、リードを守り切った。トップリーグ制覇は5度目で東芝と並ぶ最多、日本選手権は8度目で新日鉄釜石と並ぶ2位に浮上した。

 最後は気持ちで上回った。4点リードして残り10分。ボールをキープし続けて逃げ切るはずが、残り30秒で反則。自陣で再び反則を犯し、自陣5メートルラインで相手ラインアウト。絶体絶命のピンチだったが、意思統一した防御でノックオンを誘った。仏頂面の沢木敬介監督はほほ笑み、主将として2季連続でチームを頂点に導いたSH流は感極まって涙した。

 「去年のチームを超えることをターゲットにして1年取り組んできた。今日が一番のベストゲームだった」

 指揮官の第一声の通りの内容だった。前半はボール保持率で上回り、堅固なディフェンスのわずかな隙を突いた。4分、自陣からの連続攻撃でSOギタウが相手の不意を突くグラバーキックを放ち、瞬時に反応した中村亮がキャッチ&トライ。同33分にもギタウが数的有利となった左サイドのWTB江見にロングパスを送り2トライ目を奪った。1年かけてどんなディフェンスにも対応できる「アタックオプション」を準備。選手は瞬時の判断で最善策を選択し、見事に遂行してみせた。

 序盤に主力選手が負傷したパナソニックに対し、サントリーはベストメンバーが先発し、ケガなく試合を終えた。沢木体制1年目の昨季、各選手の出場時間、試合と練習の走行距離や強度などをデータベース化。今季はそれを活用し、個々に出場時間や練習量を調整してコンディション管理を徹底した。大きな故障もなく、シーズンを通じて目覚ましいパフォーマンスを続けたFB松島は「選手は正直(痛い、と)言いたくない。そこはうまくできた」と言う。完璧なピーキングは裏方スタッフの勝利でもあった。

 リーグ戦1敗からのリベンジV。来季はさらに追われる立場となるが、沢木監督は「ターゲットにされるが、優勝チームのご褒美だと思っている」。鬼軍曹のハングリーさは一段と増したようだった。

 ▼サントリーSH流 この日をターゲットに厳しいトレーニングを積んできたので良かった。練習量とフィットネスに自信を持って走っていたので、最後に少しだけその差が出たのかなと思う。

 ▼サントリーWTB江見 自信になった。(トライは)ボールをキープしてうまく2人をはじいて飛び込めた。

 ▼パナソニックフッカー堀江 アタックが悪かった。ケガ人が出て試合の流れをつかめなかった。(序盤のケガ人は)さすがにきつい。

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