小野塚3位!先月W杯で脳震とう…悪夢振り払う今季初表彰台

[ 2018年1月14日 05:30 ]

フリースタイルスキーW杯ハーフパイプ決勝 ( 2018年1月12日    米コロラド州スノーマス )

女子ハーフパイプ決勝の競技を終え、外国人選手と笑顔で抱き合う小野塚
Photo By 共同

 女子で昨季の世界選手権金メダルの小野塚彩那(29=石打丸山ク)が87・00点で3位となり、今季初めて表彰台に立った。先月上旬のW杯で転倒して脳振とうを起こし、復帰戦となった今大会で健在ぶりを示した。渡部由梨恵(29=白馬ク)は1回目で転倒して左肩を脱臼。2、3回目は演技をせずに8位だった。キャシー・シャープ(25=カナダ)が93・20点で優勝した。

 もどかしかった1カ月の思いをぶつけた。「みんなで力を合わせてここまでこられた」。3位が決まると、小野塚はコーチと抱き合って涙を拭った。「ホッとした気持ちが大きい。雪上に戻って短いけど表彰台に乗れてよかった」。五輪シーズンの出遅れを挽回し、平昌五輪に向けて垂れ込めていた暗雲を振り払った。

 昨年12月に米国でのW杯で頭部を強打し、その後のプロ大会も欠場した。「受傷後、1週間でトレーニングを再開して、すぐに負荷も以前のものに戻った」と帰国後のMRI(磁気共鳴画像装置)検査でも異常はなかった。だが思うように調子は上がらず、いざ迎えた復帰戦は普段とは違う緊張感もあった。

 十分な準備期間のない状況でも1回目は84・20点で4位。「高さと(板をつかむ)グラブをしっかりと評価してもらえた」と2回目に精度を高めてさらに得点と順位を上げた。演技中盤に2回転の連続技を組み込み、重点的に練習を重ねて「そこで他の選手に差をつける」と話していた後ろ向きに滑りながらの技も2つ入れた演技構成を滑りきった。

 次戦は五輪前最後の実戦としてプロ最高峰の大会「Xゲーム」(25日)に出場する。高難度の技を武器にしている上位選手に対しても「一つ一つの技のクオリティーを上げれば追いつける」と自信も復活。競技が初採用されたソチ五輪での銅メダルから4年。高さと完成度を生命線に我が道を行く世界女王の準備は整いつつある。

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