【金哲彦の目】東洋大・酒井監督が引き出した1年生の快走 復路は青学・下田がカギ

[ 2018年1月3日 07:30 ]

第94回箱根駅伝 ( 2018年1月2日    東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間107・5キロ )

1区、区間賞を獲得しガッツポーズをする東洋大・西山
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 ノーミスの東洋大が3強を抑えて往路を制した。レース全体の流れとしては1区の1年生・西山の区間賞が大きかったが、もちろんそれだけでは距離の長い箱根は勝てない。青学大、東海大、神奈川大の3強がいずれもどこかの区間でミスを犯したのに対し、東洋大は2区以降の選手も全員がミスなく自分の区間をしっかりと走り切った。1年生が箱根のような大きなレースで自分の力を発揮するのは易しいことではない。プレッシャーを適度にかけながら、一方でかけ過ぎないように抑制する。酒井監督の巧みな手腕が引き出した1年生の快走と言ってもいいだろう。

 青学大は山上りの竹石が下りに入ったところで左ふくらはぎのけいれんを起こしたのが誤算だったに違いない。けいれん自体は親指を地面にぎゅっと押しつける応急措置で止めることができるが、左足をかばって走っているうちに右足にまで影響が出てしまい、狙い通りに5区で逆転することができなかった。

 ただ、差はわずか36秒なので、復路は6区の山下りで一気に逆転し、補欠の下田を7区か8区に起用して突き放せば総合4連覇が見えてくる。東洋大はとにかく先頭をキープすること。もし追いつかれてもそこでずるずる後退せずに並走できれば、どこかでチャンスが生まれるかもしれない。 (駅伝マラソン解説者)

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2018年1月3日のニュース