暴行引責で引退、検察判断影響か “社会的制裁”考慮の可能性も

[ 2017年11月30日 05:30 ]

日馬富士引退

会見に臨んだ日馬富士
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 傷害容疑で捜査を進める鳥取県警は、これまでに日馬富士と貴ノ岩をはじめ、現場のラウンジに同席した白鵬らの聴取を一通り終えた。聴取結果を踏まえ、年内にも同容疑で書類送検する方針だ。

 日馬富士は暴行を認めており、引退は、起訴などの処分を決める検察の判断に影響を及ぼすとみられる。

 捜査関係者によると、暴行直後は警察への通報がなく、県警は貴ノ岩の被害届を受けて捜査を開始。ラウンジの現場検証を実施し、同席者らから当時の状況を聴いた。

 日馬富士は事情聴取で、平手や拳、カラオケのリモコンで殴打したと説明。しかし関係者証言には食い違いがあり、県警は事実関係や動機面の解明を進めている。

 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「責任を取ったことはインパクトがある」と指摘。県警関係者は「捜査が滞るわけではない」と話すが、検察の判断では、引退という形で社会的制裁を受けたことが考慮される可能性がある。

 一方、日馬富士と貴ノ岩との間では示談ができていない。渡辺教授は「被害者の処罰感情が強ければ、検察は軽視できない」とする。

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2017年11月30日のニュース