豪栄道初V!カド番から大阪出身力士86年ぶり賜杯

[ 2016年9月25日 05:30 ]

玉鷲を寄り切りで破り初優勝し、口を真一文字に結ぶ豪栄道

大相撲秋場所14日目

(9月24日 両国国技館)
 浪速の大関が頂点に立った。大関・豪栄道が平幕の玉鷲を寄り切り、14戦全勝で涙の初優勝を決めた。大阪出身力士のVは86年ぶり。カド番大関の賜杯獲得は08年夏場所の琴欧洲以来で、出羽海一門からは12年初場所の把瑠都以来の優勝力士となった。綱獲りが懸かる九州場所へ弾みをつけるためにも、千秋楽では94年名古屋場所の大関・武蔵丸以来となる全勝初優勝を目指す。
【取組結果】

 優勝を決めて豪栄道コールに祝福され、向かったインタビュールームで涙がこぼれた。支度部屋でフラッシュを合図に再び涙。悲願の初V。大阪出身では1930年夏場所の山錦以来、86年ぶりに幕内の頂点を極めた。

 「辛抱してやってきてよかった。親方やおかみさん、いろんな人に支えられた感謝の涙。優勝のうれし涙でもあります」

 前日(23日)の朝稽古までは「寝られないことはない」と豪語していたが、決戦前夜は初めて一睡もできず、朝稽古にも姿を見せなかった。「周りは優勝が決まったみたいに言うけど、不安でいっぱいだった。勝負事は分からない」。追う遠藤が2差を守り、重圧の中で迎えた玉鷲戦。しかし、立ち合ってすぐに右を差し、頭を付ける自分の相撲を取り切った。大関昇進の口上で誓った「大和魂を貫きます」を地でいく圧巻の内容だった。

 4回目のカド番。綱獲りの稀勢の里、初場所優勝の琴奨菊、先場所勝ち越した照ノ富士に次ぐ大関で4番手の扱いから逆襲した。優勝の原動力を聞かれると「悔しさが一番です」と言い切った。

 ケガとの闘いだった。12年夏に左肘の遊離軟骨を除去。大関昇進を決めた14年の名古屋場所で左膝外側半月板を損傷。昨年の秋場所前に右肩鎖関節を痛めた。今年は春場所で右太腿肉離れ。夏場所は白鵬のかち上げで左眼窩(がんか)内側壁を骨折、その影響で先場所は負け越した。これまで大関として普通の体で臨むことができなかったが、今回は違った。

 埼玉栄高校時代から豪栄道を知る岡武聡トレーナーは「大関昇進後、一番いい状態だったのは間違いない」と証言する。夏巡業後は疲れが蓄積していたが「稽古ができた証拠」と指摘。「これまでは疲れをためることすら、できなかった。(今場所は)治療よりも疲労回復に重点を置けた」。巡業中も携帯電気治療器を持ち歩くなど体のケアに細心の注意を払っていたが、何より大きかったのは当たり前のことが当たり前にできるという体調の良さ。肉食偏重の豪栄道だが、栄養バランスに問題はない。魚に含まれるDHAやEPAの脂肪酸類や野菜に多いビタミン類はサプリメントで補い、最近は夜の肉食を受けて朝稽古後のちゃんこで米を口にしなかった。「食事を変えたら動きが速くなった」という。

 全勝優勝の期待も高まる。負けなしの初Vは94年名古屋場所の大関・武蔵丸が最後。カド番からの全勝Vは過去に例がない。綱獲りになる来場所については「今は余韻に浸りたい」と、思いはひとまず封印。千秋楽で新たな歴史をつくることに全力を注ぐ。

 ◆豪栄道 豪太郎(ごうえいどう・ごうたろう=本名沢井豪太郎)1986年(昭61)4月6日生まれ、大阪府寝屋川市出身。小5でわんぱく横綱。埼玉栄3年で高校横綱。初土俵は05年初場所。06年九州場所で新十両。07年秋場所で新入幕。14年秋場所で新大関。三賞は殊勲賞5、敢闘賞3、技能賞3。得意は右四つ、寄り、首投げ。1メートル83、158キロ。独身。

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