豪栄道「良くなってきた」カドVへ 上位陣唯一の全勝キープ

[ 2016年9月16日 05:30 ]

<大相撲秋場所5日目>白星をあげた豪栄道は水を飲み干す

大相撲秋場所5日目

(9月15日 両国国技館)
 カド番の豪栄道が新関脇・宝富士を寄り切って横綱大関陣でただ一人、初日から5連勝とした。ケガを抱えて場所前に調整できなかった先場所とは違い、今場所は夏巡業から稽古十分。白鵬不在の中、初優勝を狙う30歳のカド番大関が存在感を示している。横綱大関陣は今場所初めて安泰。全勝は豪栄道と平幕・隠岐の海の2人で、1敗で日馬富士ら7人が追う展開となった。

 上位陣で唯一、全勝を守った取組後の支度部屋。豪栄道が好調の理由を「この何場所かはぶっつけ本番でやっていた。今回はちゃんとやることをやって臨めている」と説明した言葉が全てだろう。先々場所に白鵬のカチ上げで眼窩(がんか)底骨折を負い、全く調整できずに臨んだ先場所は7勝8敗で負け越し。だが、今場所は稽古十分という紛れもない事実が大関の背中を押し、08年夏場所の琴欧洲以来8人目のカド番Vへ「良くなってきた」と表情にも自信が満ち始めてきた。

 先場所敗れた新関脇の宝富士に対して立ち合いの呼吸が合わなかった。しかし「しっかり落ち着こう」と自らの意思で“待った”を掛けたのは心に余裕がある証拠。仕切り直しの立ち合いでは完全に圧力勝ちし、低い体勢で押し続ける。そしてケンカ四つの相手に「差し勝ったのが良かった」と右を深く差して左前みつを握り、万全の体勢で難なく寄り切った。

 15人以上の関取が休場した夏巡業(7月31日~8月28日)を支えたのは豪栄道だ。過密日程のため、もちろん自身もマイペース調整したい思いはあったが、豪栄道以外の上位陣全員がケガを抱えていた。そんな危機的状況の中で朝稽古の土俵に連日上がって若手にぶつかりで胸を出し、10番以上相撲を取り続けた。「ついていくだけでも大変」と漏らす力士がいた中で、終盤の北海道巡業(8月19~21日)でも3日間とも土俵で調整。全ては今場所で逆襲するためだった。

 その夏巡業の成果について大関は「15日間が終わってから」と言葉を濁した。さらに上位陣唯一の全勝についても「まだ全然。5日目なんで。何もない」ときっぱり。荒れ模様の秋の空に、誰が輝く優勝旗を掲げるだろうか。本人が意識せずとも、現時点で最も近いのは豪栄道で間違いない。

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